以上の写真は、いずれも大阪市内で撮影したもの。
大和路線の久宝寺駅(正式には八尾駅)から 阪和線の杉本町駅までを結ぶ貨物線、阪和貨物線 の跡です。
かつては、大和路線と阪和線のバイパス線として 多くの貨物列車が走りました。
また、この貨物線を経由する特急や臨時列車もありました。
しかし、鉄道貨物の衰退に伴って 阪和貨物線を運行する貨物列車はしだいに少なくなり、1986年にはこの貨物線経由の定期貨物列車は全廃。
それ以後、阪和貨物線の使用頻度が極端に少なくなり、2004年に休止、2009年に廃止され、現在に至っています。
阪和貨物線の線路は ほとんどが撤去されましたが、大和川沿いなど まだ線路が残っている区間もあります。
せっかく土地が確保されているのに廃線にしてしまうのは、なんだかもったいないような気がします。
線路が撤去された跡、架線がなくなった架線柱、もう鳴ることのない踏切・・・
見ていると、何とも言えない寂しさがこみあげてきます。
おおさか東線みたいに旅客化したらいいのに と思ったりしますが、阪和貨物線は、大和川沿いを走っている区間が多いため、旅客化しても、駅勢圏が狭くなってしまい、南海の汐見橋線のような 「都会の中のローカル線」になるのが容易に想像できます。
阪和線の杉本町は普通電車しか止まらないですし。
大和路線と阪和線を結ぶ連絡線として旅客化しようにも、天王寺に近すぎてあまり意味がなかったのかもしれません。
近鉄南大阪線の河内松原 or 藤井寺、南海高野線の北野田を通って 鳳までを結ぶルートだったら、廃線にならずに済んだかも・・・
ならばせめて久宝寺~出戸駅間だけでも・・・と思いましたが、そのためには、老朽化した高架橋の改修や、車1台分の幅しかないガードの拡張が必要になってきます。
出戸では交通量の多い道路との踏切を解消するため、高架化 or 地下化が求められるでしょう。
旅客化するには巨額の費用がかかりそうです。
もともと出戸地区とその周辺は鉄道空白地帯でした。
もし地下鉄谷町線が出戸まで延伸されなかったら、阪和貨物線は旅客化されていたかもしれませんね。
【旅客化した場合の新駅を妄想してみた】
杉本町-我孫子南-庭井-矢田南-住道矢田(すんじやた)-瓜破口-長吉-出戸-竹渕-久宝寺
我孫子南・・・あびこ筋付近に設置
庭井・・・住吉区と東住吉区の境界付近に設置
矢田南・・・行基大橋の東側に設置
住道矢田・・・矢田中学校付近、今里筋の延長上に設置
瓜破口・・・高野大橋の東側に設置
長吉・・・長吉高校付近に設置
出戸・・・地下鉄出戸駅・出戸バスターミナルに隣接
竹渕・・・竹渕第一公園付近に設置
出戸以外は、ローカル線にありがちな簡素な駅。