今から1年前の2014年8月、JR西日本は 近畿エリアと広島エリアにおいて、路線名をアルファベットで表現する 「路線記号」 の導入と ラインカラーの拡充・変更を発表。

今年度から 本格的に使用開始しています。
(過去記事 「【JR西日本】 近畿エリア・広島エリアで変わる 「ラインカラー」。学研都市線は黄緑→ピンクに!?」 参照)

そんな近畿エリアと広島エリアに挟まれているのが 岡山・福山エリア

広島エリアよりも路線数が多く、山陽本線 姫路方面→伯備線、山陽本線 三原方面→赤穂線、赤穂線→伯備線 といったように 路線をまたがる直通列車も多いので、いずれは 路線記号が導入されるのではないかと思っていました。

2015年9月17日、JR西日本が 公式ホームページで 岡山・福山エリアの主な路線に 路線記号とラインカラーを導入する と発表したので、このブログで取り上げたいと思います。

【JR西日本 ニュースリリース】
~お客様によりわかりやすく鉄道をご利用いただくために~
岡山・福山エリアの主な路線に「路線記号」「ラインカラー」を導入します



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JR西日本は ラインカラーを 「導入」 するとしていますが、「変更」  するという言い方のほうが正しいかもしれません。

というのも、岡山・福山エリアの各線には 既にラインカラーが設定されているんですよね。
(山陽本線・・・緑色、赤穂線・・・黄色、伯備線・・・朱色、津山線・・・ピンク色、吉備線・・・オレンジ色、瀬戸大橋線と宇野線・・・青色、福塩線・・・桜桃色

路線記号の導入に伴い、これらのラインカラーが見直されることになります。


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※総社駅に設置されている運賃表。山陽本線 倉敷駅経由か吉備線経由かで 運賃が異なります。

各線の路線記号とラインカラーは 以下の通り。


岡山・福山エリアのラインカラー
※上の図は JR西日本のニュースリリースより引用。

 S  山陽本線(岡山~三石) 黄緑色・・・マスカット
 T  津山線 山吹色・・・田園に広がる稲穂
 U  桃太郎線(吉備線) 桃色・・・桃
 V  伯備線(岡山~新見) 緑色・・・緑豊かな山並み
 W   山陽本線 (岡山~福山) 橙色・・・晴れの国の太陽
 X  山陽本線(福山~糸崎) 空色・・・しまなみ海道に広がる空
 Z  福塩線(福山~府中) 紫色・・・国蝶オオムラサキ
 L  宇野みなと線(宇野線) 水色・・・港から見たキラキラ輝く海
 M  瀬戸大橋線(岡山~児島) 青色・・・多島美が映える瀬戸内海
 N  赤穂線(岡山~寒河) 赤色・・・備前焼の炎

※「桃太郎線」 と 「宇野みなと線」 は 2016年春から使用開始される愛称。
(前回の記事 「宇野線・吉備線と岡山駅東口・西口の愛称がついに決定! 「宇野みなと線」 「桃太郎線」 「後楽園口」 「運動公園口」 」 参照)



今回 路線記号が導入される路線では、なんと、瀬戸大橋線以外の全路線でラインカラーが変更されることになりました。

新しいラインカラーは 各路線の特徴をモチーフとしています。


赤穂線のラインカラーは、やっぱり赤色

「備前焼の炎」 というイメージ以前に、路線名が 「赤」 穂線なのに ラインカラーが黄色というのがおかしかったので、赤色になるのは当然でしょう。

赤穂線のラインカラーの導入区間が 岡山~播州赤穂ではなく、岡山~寒河(赤穂線で岡山県最東端の駅)になっているのは、近畿エリアの駅である播州赤穂駅を入れたくなかったからかも分かりません.

しかしそうなると、寒河~播州赤穂駅間にある 備前福河駅や天和駅が 近畿エリアにも 岡山・福山エリアにも属さないことになり、ちょっとかわいそうな気もしますね。

寒河駅の読み方が 「さむかわ」 ではなく 「そうご」 だったとは知らなかったです。
(西隣の日生(ひなせ)駅と同様、初見では絶対読めませんね)


吉備線は、来年春から 「桃太郎線」 という愛称が付けられることもあって、ラインカラーは 案の定 ピンク色になりました。


瀬戸大橋線と宇野線のラインカラーは、これまで どちらも青色でしたが、路線記号導入後は、瀬戸大橋線が青色、宇野線が水色と区別されることになります。

宇野線が青色、瀬戸大橋線が水色と 逆にした方が 直通先であるJR四国のコーポレートカラー(水色)と一致するのに という意見もありますが、ここはやはり、JR西日本の路線と JR四国の路線とで ラインカラーを区別する必要があるでしょう。
※JR四国は 予讃線など自社の路線にラインカラーを設定していますが、JR西日本の駅の路線図や運賃表では、JR四国の路線が全て水色になっています。

近畿エリアで 琵琶湖線が青色、湖西線が水色になっているのと同じように、本州と四国を結ぶ動脈的存在の瀬戸大橋線が青色、瀬戸大橋線の支線的存在の宇野線が水色になっている方が、やはり しっくりきますね。

ただ、宇野線のラインカラー(薄い水色?)と JR四国のコーポレートカラー(濃い水色?)との区別がつきにくいという問題はあるかもしれません。


福塩線 福山~府中間のラインカラーは 紫色

広島県府中市に、「オオムラサキ」 という蝶を保護・飼育している施設 「オオムラサキの里」  があることから、この色が選ばれたのでしょう。

これまでの桜桃色(濃いピンク色)のラインカラーは かなり違和感がありましたが、紫色のラインカラーは 福塩線のイメージに合いそうです。


意外だったのは 津山線。

現在のピンク色のラインカラーは絶対合ってないと思っていたので 変更は大歓迎ですが、路線名が 津 「山」 線なので、てっきり黄緑色になると思っていました。

「田園に広がる稲穂」 というイメージから 山吹色になるんですね。

その代わり、これまで緑色だった山陽本線 岡山~三石駅間が 岡山県を代表する果物・マスカットのイメージから黄緑色になっています。


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そして一番驚いたのは、山陽本線 岡山~福山駅間と 伯備線のラインカラー。

これまでは 山陽本線が緑色、伯備線が朱色となっていましたが、路線記号導入後は 山陽本線がオレンジ色伯備線が緑色 と 逆になっているではありませんか!

ラインカラーのイメージは、山陽本線が 「晴れの国の太陽(岡山県は 県庁所在地における降水量1mm未満の日数が全国で最も多いため、「晴れの国岡山」 を県の標語としています)、伯備線が 「緑豊かな山並み」 となっています。

納得はできるのですが、山陽本線=緑色伯備線=朱色という これまでのイメージが崩れるので、個人的に かなりショックですね。

緑色は 「岡山エリアの大動脈」 である山陽本線の色という印象が強く、伯備線のラインカラーになるのは 正直受け入れがたいです。

岡山駅の在来線ホームやコンコースに設置されている電光掲示板は、「山陽本線」 の文字が緑色、「伯備線」 の文字がオレンジ色で表示されており、表示の色とラインカラーが逆になっていると、利用客が混乱しそうですね。


山陽本線 福山~糸崎駅間のラインカラーは、「しまなみ海道に広がる空」 をイメージした空色(濃い水色)。

宇野線のラインカラーと似ていますが、こちらはアルファベットが白抜き文字になっているのが特徴です。

これまで緑一色だった 山陽本線のラインカラーは、三石~岡山駅間が
黄緑色、岡山~福山駅間が橙色、福山~糸崎駅間が空色と 3つに分割されることになります。

岡山駅を境に東西で分けるのは予想していましたが、福山駅でも分けるとは驚きました。

岡山~福山駅間のラインカラーのイメージが 「晴れの国岡山」 にちなんだ 「晴れの国の太陽」 なので、広島県である福山~糸崎駅間のイメージを岡山と一緒にするなということなんでしょう。


今回 路線記号が導入されるのは 岡山・福山エリアの "主な" 路線であり、岡山県の北部を走る 姫新線や因美線、芸備線には 路線記号が導入されません。

2015年現在、姫新線は
紫色、因美線は藍色、芸備線はターコイズブルー(水色)のラインカラーが設定されていますが、これらの路線でもラインカラーが変更されるのか、気になるところです。



ここまでは 岡山・福山エリアの新しいラインカラーについて書きましたが、続いて 路線記号の方に着目します。

近畿エリアの場合は、琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線を 「A」、大阪環状線を 「O」 として 分岐駅順にアルファベットを振り、広島エリアの場合、山陽本線 広島~岩国駅間は赤色(Rad)なので
  R  といったように、ラインカラーの色名称の頭文字を路線記号としていましたが、岡山・福山エリアの路線記号は どうなっているのかというと・・・


なな・・・なんだこりゃ???ヽ((◎д◎ ))ゝ

山陽本線 岡山~三石駅間が
  S  で、津山線が  T   と 路線名の頭文字(San-yō Line、Tsuyama Line)から取ったのかと思いきや、吉備線が  U  、伯備線が  V  、山陽本線 岡山~福山駅間が  W   、福山~糸崎駅間が  X  となぜかSからアルファベット順に付けられています。

Yは広島エリアの呉線と被るため 飛ばされて、福塩線が  Z

そして残った宇野線・瀬戸大橋線・赤穂線はというと、
宇野線が  L  、瀬戸大橋線が  M  、赤穂線が  N  と 今度はLからアルファベット順になっているんですよね。

一体どういう基準でアルファベットを振ったのか 最初は全然理解できませんでしたが、自分は あることに気付きました。

「M」 「N」 「X」 「Z」 が、近畿エリアや広島エリアの路線記号で使われていないのです。

これらを岡山・福山エリアの路線記号に使いつつ、近畿エリアの姫路近郊の路線記号(JR神戸線のA、加古川線のI、播但線のJ、姫新線のK)や 広島エリアの路線記号(B、G、P、R、Y)と被らないよう 最大限配慮した結果、このような振り方になったのかなと思いました。

近畿エリアの一部の路線と 路線記号が被っていますが、舞鶴線のL、関西空港線のS、和歌山線のT、万葉まほろば線のU、関西線(加茂~亀山駅間)のV、きのくに線のWと、いずれも岡山・福山エリアから遠く離れているので 使っても問題ないということなんでしょう。


個人的には、路線名の頭文字などから取って、福塩線は 「F」、吉備線(桃太郎線)は 「M」、赤穂線は 「A」、伯備線は 「H」、宇野線は 「U」、瀬戸大橋線は 「O」 (Seto-Ōhashi Line)、山陽本線 岡山~福山駅間は 「N」(San-yō Line)、福山~糸崎駅間は 「L」(San-yō Line)とした方が分かりやすいと思いますね。
(赤穂線の路線記号が近畿エリア・岡山エリアともにAなのは さすがにダメか)


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今回 路線記号を導入するにあたって 気になるのは、車両の表示です。

広島エリアの新型車両・227系は、正面・側面のフルカラーLEDに 路線記号が表示されます。

2015年現在は 糸崎駅以西の広島エリア内で運用されていますが、いずれは 岡山・福山エリアにも乗り入れることになるでしょう。

そうなった場合、広島エリアと岡山・福山エリアを跨いで運用される列車の路線記号の表示は どうなるのでしょうか?

始発駅の時点で 終点駅の路線記号を出すのか、それとも、エリアの境界駅である糸崎駅で 表示する路線記号を変えるのか・・・。

(例えば、広島発 岡山行きの場合、広島駅の時点で 岡山・福山エリアの路線記号 「W」 を出すのか、広島駅では広島エリアの路線記号 「G」 を出し、糸崎駅で 「W」 に変えるか)

おそらく後者になると思いますが、それはそれでややこしい気もしますね。

※2016年7月20日追記※
岡山・福山エリアでは、227系のフルカラーLEDに路線記号を表示しないようです。



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路線記号と新しいラインカラーは、2016年春から使用開始されます。
※2016年1月29日追記※
2016年3月26日(土)に使用開始されると発表されました。
駅や車内の案内表示は 使用開始日前から順次取り替えられます。


活用方法については、駅や車内に掲出している路線図・停車駅案内や、駅構内の案内表示などを新たなデザインのものに取り替えるとのこと。

岡山・福山エリアの駅に設置されている駅名標は ラインカラーを反映しておらず、全路線・全駅で JR西日本のコーポレートカラーである
青色になっていますが、順次 新しいラインカラーのものに取り替えられるでしょう。

広島エリアに続いて、こちらも駅名標を撮り集めるのが楽しくなりそうです(笑)



今回の路線記号と新しいラインカラーの導入に加え、宇野線・吉備線・岡山駅出入口の愛称の使用開始、さらには 山陽本線 上郡~三原間に導入される運行管理システムの使用開始 と2016年春は 岡山・福山エリアが大きく様変わりしますね!

今後が より一層楽しみになってきました。

あとは、227系を投入した広島エリアのように、岡山・福山エリアにも新車をどんどん投入して 魅力をさらに高めてほしいところです。



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