BlogPaint
※写真は姫路駅で撮影。

敦賀~滋賀県~京都~大阪~神戸~姫路~播州赤穂駅間を最速達で結び、今や京阪神地区の看板列車となっている JR西日本の
新快速

1970年の運行開始当初は 京都~西明石駅間での運転でしたが、徐々に運行区間を延ばし、2006年10月からは 福井県の敦賀駅まで乗り入れるようになりました。

このように、速さや停車駅の少なさだけでなく、運行範囲の広さも売りの一つとなっていますが、先月(
2015年10月)28日、JR西日本が来年(2016年)春のダイヤ改正に向けて 新快速の運行区間短縮を検討している と 赤穂民報が報じました。

新快速の播州赤穂駅への乗り入れが 打ち切られてしまうのではないか」 との憶測が広がっています。


【赤穂民報の記事】
「新快速打ち切り」 憶測広まる


広告


赤穂民報の報道によると、2015年8月、兵庫県赤穂市と相生市は 「新快速運行のさらなる充実」 をJR西に要望。
その回答と 今後のダイヤ改正のあり方について話し合うため、10月に JR西日本 近畿統括本部の担当者が 相生市役所で相生市、赤穂市と協議しました。

出席者によると、その席で JR側から 「長距離を走る新快速は、何らかの運行トラブルが発生した場合に 多大な迷惑を掛けてしまうことが課題と考えている」 といった発言があったようです。

運行区間が長ければ長いほど、トラブルの影響が広範囲に及ぶことへの懸念を示したものとみられます。
確かに、滋賀県内で発生したダイヤの乱れが 姫路以西にも影響してくること、よくありますよね。

わざわざそのような発言をしたのは、事実上の 『新快速打ち切り宣告』 ではないか
乗降客数の状況を考えれば、新快速の区間を姫路以東に限るのでは」 などとの見方が強まっています。



相生市や赤穂市としては、播州赤穂駅に乗り入れる新快速の増発を期待したのだと思いますが、皮肉にも 新快速の乗り入れ廃止が危惧される事態になりました。
まさか JR西日本が 新快速の運行区間短縮を検討するなんて、思いもしなかったです。


今回、JR西が 「運行範囲が広いことによるデメリット」 を気にした発言をした背景には、姫路以西特有の問題があると思います。

赤穂線の相生~播州赤穂駅間が 新快速の走る区間で唯一 単線になっているのです。
しかも 途中の西相生駅・坂越駅には列車交換設備がなく、行き違いができません。

そのため、播州赤穂行きの列車が遅れると、対向の姫路方面行きも遅れ、その列車が遅れたまま大阪方面へ直通して 姫路以東の他の列車も遅れたりと、遅れが余計に膨らむことになります。

JR西としては、姫路以東のダイヤの乱れが、単線区間のある姫路以西に影響するのを少しでも 食い止めたいのでしょう。

それと、日中の時間帯に 相生~播州赤穂駅間を8両編成で運転するのは明らかに供給過剰だろうなと 薄々感じていました。
新快速の播州赤穂駅乗り入れを止め、姫路~播州赤穂駅間で4両編成の普通電車を毎時2本運転することで、経費を削減する狙いもあるのかなと思います。


ただ、新快速が播州赤穂駅に乗り入れていることで、京都・大阪・神戸方面から播州赤穂へ乗り換えなしで速く行くことができ、京阪神地区における播州赤穂の知名度アップにも貢献しているわけです。
それがなくなれば、赤穂市にとっては大打撃でしょう。

大阪方面から播州赤穂へ行くのに 必ず姫路で乗り換えないといけなくなったら、JRを使う人は少なからず減ると思います。


自分が岡山方面へ行く時によく乗る 姫路9:10発(土休日)の新快速は 途中の相生駅で岡山行きに乗り換える利用客が多く 混雑しているので、さすがに 播州赤穂駅発着の新快速が全てなくなるわけではないと思いたいですが、利用客の少ない日中の新快速は 播州赤穂駅に乗り入れなくなるかもしれませんね。

阪和線の紀州路快速を 日根野~和歌山駅間 各駅停車にしたり、阪和線と大和路線の普通電車を 毎時6本→4本に減便したり、学研都市線の日中の快速を区間快速に格下げしたり、北陸新幹線の開業で 特急サンダーバード・しらさぎの富山駅乗り入れを廃止するといったことを 平気でやってのける鉄道会社ですから、どんなダイヤ改悪があっても おかしくないでしょう。


来年3月のダイヤ改正では、新快速の茨木駅停車も噂されていますが、3年がかりでリニューアル工事 をするなど、ここ最近の茨木駅への力の入れようを見ると、JR西の方向性は もう決まっているんだろうなと思います。
12月中旬頃に発表される 来年のダイヤ改正の概要が、非常に気になるところです。


※2015年12月21日追記※
2016年春のダイヤ改正の概要が発表されました。
日中の播州赤穂駅発着の新快速が、一部を除いて姫路駅始発・終着に変更されます。
新快速の茨木駅停車は見送られたようです。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。

☆JR西日本 2016年春のダイヤ改正(関西編)☆
高槻駅に一部の特急 「はるか」 が停車!日中の新快速 播州赤穂行きが廃止に・・・


※2020年1月6日追記※
2020年春のダイヤ改正でも、新快速の茨木駅停車は実施されません。


広告