鉄道の駅に、アルファベットと数字を組み合わせた駅番号を付ける 駅ナンバリング

日本語の駅名が読めない外国人にも、乗換駅や下車駅を分かりやすくするためのもので、地下鉄や大手私鉄などで導入されています。


関西では、大阪・京都・神戸の各市営地下鉄が いずれも2004年中に駅ナンバリングを導入。

大手私鉄は 南海が2012年4月、阪急が2013年12月、阪神と京阪が2014年4月、近鉄が2015年8月(けいはんな線は2006年3月)に導入しました。

JR各社では、JR北海道とJR四国が 既に導入しており、JR東日本は 首都圏の電車特定区間に 今年(2016年)10月から導入する予定です。


そんな中、JR西日本はというと、2014年8月 近畿エリアと広島エリアに 「路線記号」 の導入を発表。

今年の春には 岡山・福山エリアと山陰エリアにも 路線記号を導入したわけですが、駅ナンバリングの導入は見送られていたんですよね。


他とは違って 路線記号だけを導入したということは、今後 駅ナンバリングを導入するつもりは一切ないという意思表示ではないか・・・と思っていたところ、驚きのニュースが!

2016年7月20日、JR西日本は公式ホームページで 近畿エリアの主要路線を対象に 「駅ナンバー」 を導入すると発表しました。


【JR西日本 ニュースリリース】
近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!
7月定例社長会見


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この発表を見て、まず思いました。

路線記号を導入する時に一緒に導入したら良かったのに・・・

当初は路線記号を導入して終わりにするつもりだったのに、「駅ナンバリングも導入するべき」 との声が殺到して 導入せざるを得なくなったのか、JR東日本が駅ナンバリングの導入を発表し、それに触発されたのか、あるいは、予算の都合で 駅ナンバリングの導入が遅れたのか・・・

まさかJR西日本が駅ナンバリングを導入するとは思いもせず、非常に驚きました。


ニュースリリースの冒頭には、さらっと重要なお知らせが!

JR西日本は 路線記号の導入に伴って、車両の方向幕(種別表示)を 順次 路線記号入りのものに取り替えてきましたが、来年(2017年)3月からは、琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線などを走る 新快速 の方向幕も路線記号入りのものになる とのことです。

これにより、近畿エリアでは JR発足後に製造された普通・快速列車の車両が全て 路線記号入りの種別表示になります。


近畿エリアで路線記号が導入された路線は21ありますが、そのうち 訪日外国人がよく利用する駅の多い12の路線の264駅、乗換駅の複数ナンバーや今後設置される新駅も含めると のべ300駅 に 駅ナンバーが導入されます。


対象となる線区と 主な駅の駅ナンバーは以下の通り。


 A  北陸線・琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線  敦賀~姫路

敦賀駅を 「JR-A01」 として、順番に番号を振っていきます。
JR京都線 摂津富田~茨木駅間に設置される新駅の番号も確保されています。(JR-A40

※2020年11月22日追記※
この新駅は、2018年に開業した 「JR総持寺駅」 です。


山陽線 姫路駅以西(網干・相生・播州赤穂・上郡方面)は、駅ナンバーの導入が見送られました。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-A01 敦賀(JR-B08
JR-A03 近江塩津(JR-B10

JR-A09 長浜
JR-A12 米原
JR-A13 彦根
JR-A17 能登川
JR-A19 近江八幡
JR-A21 野洲
JR-A22 守山
JR-A24 草津
JR-A25 南草津
JR-A27 石山
JR-A29 大津
JR-A30 山科(JR-B30
JR-A31 京都(JR-B31JR-D01JR-E01

JR-A35 長岡京
JR-A38 高槻
JR-A40 新駅(仮称:JR総持寺) ※2018年春開業。阪急総持寺駅付近に設置。
JR-A41 茨木
JR-A44 吹田
JR-A46 新大阪
JR-A47 大阪(JR-G47JR-O11
JR-A49 尼崎(JR-G49JR-H49
JR-A52 西宮
JR-A54 芦屋
JR-A57 住吉
JR-A58 六甲道
JR-A61 三ノ宮
JR-A62 元町
JR-A63 神戸
JR-A64 兵庫
JR-A68 須磨
JR-A70 垂水
JR-A71 舞子
JR-A73 明石
JR-A74 西明石
JR-A79 加古川

JR-A85 姫路



 B  湖西線 敦賀~京都

京都駅と山科駅の数字を 琵琶湖線に合わせて、そこから連番にしています。

湖西線の新快速が敦賀駅まで乗り入れるため、北陸本線の近江塩津~敦賀駅間は 湖西線の駅ナンバーも振られています。
ただし、数字は北陸本線に合わせていません。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-B08 敦賀(JR-A01
JR-B10 近江塩津(JR-A03
JR-B11 永原
JR-B14 近江今津
JR-B16 安曇川
JR-B19 近江舞子
JR-B25 堅田

JR-B26 おごと温泉
JR-B27 比叡山坂本
JR-B29 大津京
JR-B30 山科(JR-A30
JR-B31 京都(JR-A31




 D  JR奈良線  京都~奈良

起点の京都駅を 「JR-D01」 として、順番に番号が振られています。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-D01 京都(JR-A31JR-B31JR-E01
JR-D02 東福寺
JR-D03 稲荷
JR-D06 六地蔵
JR-D09 宇治
JR-D12 城陽
JR-D16 玉水
JR-D19 木津 (JR-Q38JR-H18
JR-D20 平城山 (JR-Q37
JR-D21 奈良 (JR-Q36



木津~奈良駅間は大和路線ですが、JR奈良線の電車が奈良駅まで乗り入れるため、この区間には JR奈良線と大和路線 両方の駅ナンバーが振られています。

ただ、JR奈良線の駅ナンバーは、京都側から順に番号を振ったため、木津から奈良に向かって数字が増えていく(19→21)のに対し、大和路線は JR難波側から順に番号を振ったため 逆に減っているんですよね(38→36)。

また、JR奈良線・学研都市線・大和路線の3路線が乗り入れる木津駅は、数字が全てバラバラです。(JR-D19、JR-H18、JR-Q38
学研都市線の駅があと1つ少なかったら、JR奈良線と学研都市線の番号が 「19」 で揃ったのに・・・


大和路線とJR奈良線は 直通運転しているというより、木津~奈良駅間で線路を共用しているだけなので、無理に番号を揃える必要はないでしょう。

京都駅からJR奈良線で稲荷や宇治、奈良へ向かう外国人が多いのに、奈良側から番号が振られるというのは違和感があるので、個人的には この振り方で良いと思います。



 E  嵯峨野線 京都~園部

起点の京都駅を 「JR-E01」 として、順番に番号が振られています。
京都~丹波口駅間に設置される新駅の番号も確保されています。(JR-E02

※2020年11月22日追記※
この新駅は、2019年に開業した 「梅小路京都西駅」 です。


園部駅以北(福知山方面)は 駅ナンバーの導入が見送られました。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-E01 京都JR-A31JR-B31JR-D01
JR-E02 新駅(仮称:JR七条) 
※2019年春開業。京都鉄道博物館の最寄駅。
JR-E04 二条
JR-E05 円町
JR-E08 嵯峨嵐山
JR-E11 亀岡
JR-E16 園部




  おおさか東線
北梅田(仮称)~新大阪~放出~久宝寺

おおさか東線は、2019年春に放出~新大阪駅間が延伸開業します。
そのため、JR-F01からJR-F07までが全て 「新駅」 となっており、既存の区間は 放出駅の 「JR-F08」 から順に番号が振られています。

JR-F07」 は 建設中の新駅ではなく、鴫野駅です。
現在は 学研都市線の単独駅ですが、延伸開業後に おおさか東線の電車が乗り入れるようになります。
※鴫野~放出駅間は おおさか東線の線路が増設され、複々線になります。

一見すると、「JR-F01」 が新大阪駅のように見えますが、駅ナンバーと新駅の仮称を当てはめていくと、JR-F06が野江、JR-F05が都島、JR-F04が淡路、JR-F03が西吹田となり、新大阪駅は 「JR-F02」 になるんですよね。


おおさか東線の起点となる 「JR-F01」 は、放出~新大阪間開業の4年後、2023年春に開業する新駅
北梅田駅」 (仮称)ではないかと思います。

特急 「はるか」 「くろしお」 は、新大阪~西九条駅間で梅田貨物線を通るため、大阪駅(梅田)に停車することができません。

そこで、梅田貨物線の一部区間を大阪駅寄りにルート変更・地下化し、大阪駅のすぐ北側に新駅を設置することで、梅田から 「はるか」 「くろしお」 に乗れるようにするわけです。

この北梅田駅は、新大阪方面から おおさか東線の電車も乗り入れるため、おおさか東線の駅ナンバーが付けられたのでしょう。

※おおさか東線の放出~新大阪駅間の延伸については、別記事 「おおさか東線 放出~新大阪駅間の延伸について 【まとめ】 」 も参照。


これとは別に、既存の区間では JR長瀬~新加美駅間に設置される新駅の番号も確保されています。(JR-F13

<駅ナンバー>
JR-F01 新駅(仮称:北梅田)
※大阪駅北側に設置される新駅。2023年春開業。
JR-F02 新駅(新大阪 JR-A46
JR-F03 新駅(仮称:西吹田)
JR-F04 新駅(仮称:淡路)
※阪急淡路駅との乗り換え駅。
JR-F05 新駅(仮称:都島) ※地下鉄谷町線の都島駅とは別位置。(阪神高速都島IC付近)
JR-F06 新駅(仮称:野江) ※京阪野江駅との乗り換え駅。
JR-F07 新駅(鴫野 JR-H40
JR-F08 放出(JR-H39

JR-F09 高井田中央
JR-F10 JR河内永和
JR-F11 JR俊徳道
JR-F12 JR長瀬
JR-F13 新駅 (仮称:衣摺(きずり)駅) ※2018年春開業。
JR-F14 新加美
JR-F15 久宝寺(JR-Q24

※2020年11月22日追記※
仮称:北梅田駅は、大阪駅の地下ホームとして開業することになりました。

新大阪~鴫野駅間の新駅は、新大阪側から順に 南吹田・JR淡路・城北公園通(しろきたこうえんどおり)・JR野江です。

仮称:衣摺駅は、「衣摺加美北駅」 として開業しました。



 G  JR宝塚線 大阪~篠山口

大阪駅・塚本駅・尼崎駅の番号をJR神戸線に合わせた上で、そこから連番になっています。
篠山口駅以北(福知山方面)は 駅ナンバーの導入が見送られました。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-G47 大阪(JR-A47JR-O11
JR-G48 塚本(JR-A48
JR-G49 尼崎(JR-A49JR-H49
JR-G52 伊丹
JR-G54 川西池田
JR-G55 中山寺
JR-G56 宝塚
JR-G58 西宮名塩
JR-G61 三田
JR-G62 新三田
JR-G64 相野
JR-G69 篠山口



 H  JR東西線・学研都市線 木津~尼崎

尼崎駅の番号をJR神戸線・JR宝塚線と同じ 「49」 にした上で、そこから連番になっています。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-H18 木津(JR-D19JR-Q38
JR-H20 祝園
JR-H23 同志社前
JR-H24 京田辺
JR-H26 松井山手
JR-H27 長尾
JR-H30 河内磐船
JR-H31 星田
JR-H34 四条畷
JR-H36 住道
JR-H39 放出(JR-F08
JR-H41 京橋(JR-O08
JR-H43 大阪天満宮
JR-H44 北新地
JR-H49 尼崎(JR-A49JR-G49


 O  大阪環状線

天王寺駅を 「JR-O01」 として、そこから内回りに番号が振られています。
鶴橋駅の番号は、偶然にも近鉄と同じ4番になりました。
(JR-O04、近鉄鶴橋駅は奈良線がA04、大阪線がD04)

<主な駅の駅ナンバー>
JR-O01 天王寺
JR-O04 鶴橋

JR-O06 森ノ宮
JR-O07 大阪城公園
JR-O08 京橋(JR-H41
JR-O11 大阪(JR-A47JR-G47

JR-O12 福島
JR-O14 西九条(JR-P14
JR-O15 弁天町
JR-O16 大正
JR-O18 今宮(JR-Q18
JR-O19 新今宮(JR-Q19



 P  JRゆめ咲線 西九条~桜島

西九条駅の番号を 大阪環状線に合わせた上で、そこから連番になっています。

<駅ナンバー>
JR-P14 西九条(JR-O14
JR-P15 安治川口
JR-P16 ユニバーサルシティ
JR-P17 桜島


 Q  大和路線 JR難波~加茂

今宮駅・新今宮駅の番号を 大阪環状線に合わせた上で、そこから連番になっています。
郡山~奈良駅間に設置される新駅の番号も確保されています。(JR-Q35

<主な駅の駅ナンバー>
JR-Q17 JR難波
JR-Q18 今宮(JR-O18
JR-Q19 新今宮(JR-O19
JR-Q20 天王寺(JR-R20JR-O01
JR-Q24 久宝寺(
JR-F15

JR-Q25 八尾
JR-Q27 柏原
JR-Q31 王寺
JR-Q32 法隆寺
JR-Q33 大和小泉
JR-Q34 郡山
JR-Q35 新駅 ※開業時期は未定。
JR-Q36 奈良(JR-D21
JR-Q37 平城山
JR-D20
JR-Q38 木津(JR-D19JR-H18
JR-Q39 加茂


 R  阪和線 天王寺~和歌山

天王寺駅の番号を大和路線に合わせた上で、そこから連番になっています。

<主な駅の駅ナンバー>
JR-R20 天王寺(JR-Q20JR-O01
JR-R23 鶴ケ丘
JR-R26 杉本町
JR-R28 堺市
JR-R29 三国ケ丘
JR-R33 鳳
JR-R37 和泉府中
JR-R40 東岸和田
JR-R44 熊取
JR-R45 日根野(JR-S45
JR-R48 和泉砂川
JR-R51 紀伊
JR-R52 六十谷
JR-R54 和歌山



 S  関西空港線 日根野~関西空港

日根野駅の番号を阪和線に合わせた上で、そこから連番になっています。

<駅ナンバー>
JR-S45 日根野(JR-R45
JR-S46 りんくうタウン
JR-S47 関西空港



【路線記号は導入されたが 駅ナンバーは導入されない路線】

 A  山陽線 姫路~上郡、赤穂線 相生~播州赤穂
 C 
草津線
 E 
山陰線
園部~城崎温泉
 G  福知山線
篠山口~福知山
  I 
 加古川線
 J  播但線
 K 
姫新線
 L 
舞鶴線
 T  和歌山線
 U  万葉まほろば線(桜井線)
 V  関西線 加茂~亀山
 W  きのくに線(紀勢線)




ここまで、駅ナンバーが導入される線区と 主な駅の駅ナンバーについて書きました。


まず、自分が評価したいのは JR西日本の駅ナンバーの導入範囲です。

訪日外国人がよく利用する駅の多い、特に駅ナンバーの必要な線区が ちゃんと導入範囲に入っています。


JR東日本なんて、「電車特定区間」 に限定して 駅ナンバリングを導入することにしたため、導入範囲がおかしなことになっているのです。

東海道線・宇都宮線・高崎線は 熱海~東京~宇都宮・高崎駅間に導入すればいいのに、発表された導入範囲は 電車特定区間の大船~東京~大宮駅間と 実に中途半端。

京葉線は 終点の蘇我駅だけ駅ナンバリングの範囲外ですし、そして何よりも 肝心の成田空港駅に駅ナンバリングが導入されないというのは問題でしょう。

※2020年11月22日追記※
成田空港駅は 2018年1月に、東海道線の大船~熱海駅間は 2018年11月に駅ナンバリングが導入されました。


一方で、青梅線は青梅駅どころか 奥多摩駅までナンバリングを入れたりと、ナンバリングを導入する線区の優先順位を間違えていると思うんですよね。


その点、JR西日本は 琵琶湖線・北陸線の京都~敦賀駅間、湖西線、JR神戸線の西明石~姫路駅間、JR奈良線、嵯峨野線、JR宝塚線、学研都市線の長尾~木津駅間、大和路線の奈良~加茂駅間、関西空港線といった、電車特定区間に入っていない線区にも駅ナンバーを導入しますし、北陸線は敦賀駅まで、JR神戸線は姫路駅までというように、キリのいいところまで導入範囲に入れていて、好印象です。

できれば、山陽線の姫路駅以西や播但線、草津線、和歌山線、万葉まほろば線など、駅ナンバー導入線区の拡大も 今後検討してほしいところ。


そして、自分が感心したのは 各駅の番号の振り方です。

ただ単に 1番から順に振っていくわけではなく、尼崎駅の駅ナンバーの数字部分を 「49」 で統一するなど、相互直通列車が多い路線では 分岐駅の番号を共通にして、そこから連番にする という工夫がされています。

例えば、JR東西線からの直通列車は、尼崎駅からJR神戸線 神戸方面、JR宝塚線のどちらに進んでも 「48、49、50、51・・・」 と 番号が連続することになり、非常に分かりやすいです。

大阪環状線の1番(JR-O01)が、大阪駅ではなく 天王寺駅というのは意外でしたが、環状線の 「途中駅」 である大阪駅よりも、始発・終着駅である天王寺駅の方が1番にふさわしいだろうなと思います。

大阪環状線・大和路線・阪和線の駅ナンバーを、大和路快速関空/紀州路快速が通る順(天王寺を出て環状線を一周してから、大和路線・阪和線へ直通する)に振ったのは、ナイスアイデアです!


また、大阪駅の駅ナンバーの数字部分が JR京都線・JR神戸線・JR宝塚線(JR-A47、JR-G47)と 大阪環状線(JR-O11)とで異なっているように、無理に番号を共通にしないところも良いですね。

近鉄では、2015年に駅ナンバリングを導入する際、自社線の接続駅で番号を統一させるというやり方を徹底したので、「A21」 の隣が 「A26」 (A22~A25は欠番)になるなど、一部の路線では 途中で番号が飛んでいるところがあります。

中でも大阪線の駅ナンバリングは、起点の大阪上本町駅の数字を奈良線に合わせて 「D03」 から番号を振ったのは良いのですが、橿原線と交差する大和八木駅の番号を 駅数の多い橿原線に無理やり合わせてしまったため、「D27」 の隣が 「D39」(D28~D38まで欠番、D39からD61まで連番)という異常事態。

途中の駅で一気に数字が飛ぶと、降りる駅まであと何駅なのか分かりにくく、混乱を招くでしょう。
今からでも番号を振り直すべきだと思っています。


また、南大阪線と吉野線は、吉野線のほぼ全列車が南大阪線と直通運転しており、事実上1本の路線と化しています。

しかし、南大阪線・吉野線・橿原線の3路線が乗り入れる橿原神宮前駅の番号を これまた駅数の多い橿原線に合わせたため、「F27」 の隣が 「F42」 (F28~F41まで欠番) と番号が一気に飛び、吉野線は 「F42」 から終点の 「F57」 まで連番になっているんですよね。

南大阪線・吉野線への直通列車がない橿原線に番号を合わせる必要はないと思います。


その点、JR西日本は 番号を連続させることを重視しているので、今後設置される新駅の欠番を除き、近鉄のように 途中の駅で数字が飛ぶことがありません。

自分は これが良いと思うのですが、ネットを見ていると 「同じ駅に数字の異なる複数の駅ナンバーを付けるのは紛らわしい」 と問題視する声もあり、賛否両論のようです。



現時点で設置が正式に決定している新駅については、駅ナンバーを設定して 開業までは欠番扱いとなりますが、ここで1つ疑問が。

今後、新たに新駅を設置することが決まった場合、その駅の番号はどうなるのでしょうか?

気になっていたところ、朝日新聞の記事 に こんなことが書いてありました。


その後に駅間に新駅をつくった場合は 「A47・5」 などと小数で区別するという。


まさかの少数ですか! これは驚きました。

自分は、高速道路などで見られる 「A47-1」 のような枝番を付けると思ったのですが、これだと、将来 「A47」 と 「A47-1」 の間に新駅が設置された時に、「A47-1」 の駅の番号を 「A47-2」 に変更する必要が出てくるんですよね。

実際、名神高速道路では 2013年12月、八日市IC(29)と竜王IC(29-1)の間に 「蒲生SIC(スマートインターチェンジ)」 が開業したため、竜王ICのIC番号が 「29-1」 から 「29-2」 に変更されています。

その点、少数であれば、「A47」 と 「A47・5」 の間に設置される新駅の駅ナンバーは 「A47・25」 になるので、既存の駅ナンバーを変えずに済みますね。



最後に、駅ナンバーの導入対象について書きたいと思います。


【駅ナンバーの導入対象】

・「駅ナンバー」 路線図(WEB掲載)
・新型券売機(HT50型)での 「駅ナンバー」 入力購入
・車内液晶表示器、車内LED表示器
・車内自動放送
・ひらがな駅名標



画期的だったのは、新型の自動券売機に、駅ナンバーを入力することで目的地の駅を検索し、切符を購入できる機能が追加されることです。

先ほどの朝日新聞の記事曰く、ナンバー入力の券売機導入は JR各社の中でJR西が初めてだそう。
JR西日本の 駅ナンバー導入への本気度が伝わってきます。


車内自動放送で駅ナンバーを読み上げるようですが、2016年7月現在、近畿エリアの普通・快速列車で車内自動放送が流れるのは、大阪~関西空港を結ぶ関空快速(関空快速と併結運転中の紀州路快速も含む)だけです。

大阪環状線の新型車両323系でも 車内自動放送が導入されるようですが、駅ナンバーの導入に伴い、それ以外の列車でも車内自動放送が導入されるのか気になります。


ひらがな駅名標
※駅ナンバー導入後の 「ひらがな駅名標」 (JR西日本ニュースリリースより)


また、「ひらがな駅名標」 の下の方に 駅ナンバーを表示するとのこと。

JR西日本は ここ数年、多くの路線で ひらがな駅名標を新しいものに取り替えているので、駅ナンバーが書かれたシールを上から貼って対応するのではないかと思ったんですが・・・


CIMG3926
※学研都市線  四条畷駅に設置された 新しい 「ひらがな駅名標」。

シールを貼る場所がない!!!

ひらがなが 上から下まで白いスペースいっぱいに書かれているので、シールで対応するなら 左側のラインカラーの帯に貼るしかありません。

駅ナンバーの導入で、ひらがな駅名標が一斉に取り替えられるでしょうね。

ついこの前、新しいものに取り替えたばかりなのに、何だか もったいないですね・・・。
路線記号を導入するときに 一緒に駅ナンバーを導入しておけば、こんなことにはならなかったはずです。



あと、JR西日本のニュースリリースでは 「ひらがな駅名標」 の更新のみ書かれていて、メインの横長の駅名標については書かれていません。

こちらは、駅ナンバー入りのものに取り替えないのでしょうか?

ひらがな駅名標だけでは、ちょっと中途半端な感じがしますが・・・


JR西日本の駅ナンバーは、2018年3月に使用開始される予定です。

来年かと思ったら、再来年なんですね。

駅ナンバーの導入で大きく変わる JR西日本の近畿エリア、今後が楽しみです!


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