2018年7月上旬の記録的な豪雨では、鉄道も多くの路線が被災しました。
中でも JR西日本の在来線は、広島県・岡山県を中心に、復旧に長期間を要する線区が多数出ています。

JR西日本は 7月11日に、1ヶ月以上運転を見合わせる線区を公表していましたが、7月18日の定例社長会見で、各線区の運転再開見込みの詳細を明らかにしたので、このブログで取り上げたいと思います。


【JR西日本 ニュースリリース】
「平成30年7月豪雨」 にともなう長期間の運転見合わせについて (7月11日に発表)
JR西日本 2018年7月定例社長会見


広告



7月中に運転を再開する予定の線区

【7月21日(土)】
山陰本線 益田~東萩駅間

【7月22日(日)】
福塩線 福山~神辺駅間

【7月23日(月)】
芸備線 広島~下深川駅間



8月に運転を再開する見込みの線区

【8月1日(水)】
山陽本線 下松~徳山駅間

【8月上旬】
津山線 玉柏~野々口駅間
呉線 坂~海田市駅間

【8月中旬】
山陽本線 瀬野~海田市駅間
伯備線 豪渓~新見~上石見駅間



9~11月に運転を再開する見込みの線区

【9月中】
芸備線 下深川~狩留家駅間

【9月末】
山陽本線 柳井~下松駅間

【10月中】
山陽本線 白市~瀬野駅間
岩徳線(全線)

【11月中】
山陽本線 三原~白市駅間
呉線 広~呉~坂駅間



数ヶ月~年内での運転再開を見込む線区
姫新線 上月(こうづき)~津山~新見駅間
因美線 津山~智頭駅間
芸備線 備後落合~備中神代駅間



2019年1月に運転を再開する見込みの線区
呉線 三原~広駅間



運転再開まで少なくとも1年以上かかる線区
芸備線 狩留家~三次~備後落合駅間
福塩線 府中~三次駅間
木次線 出雲横田~備後落合駅間



山陽本線の全線復旧は 11月中と発表されました。
この路線は 本州と九州を結ぶ貨物列車が走る大動脈なので、運転見合わせが長期化すると物流が滞り、経済活動に大きな影響が出そうですね。

朝日新聞の記事 によると、JR貨物は 山陰本線への迂回輸送を検討しているようですが、ほとんど電化されていないため、一部でしか使っていないディーゼル機関車が必要であることや、線路が貨物の重さに耐えられるかどうかの検証、運転士の訓練も必要で、準備には時間がかかるとのこと。

そして、実現したとしても 山陰本線は単線なので 山陽本線ほどの輸送量は確保できないそう。



今回の豪雨では、芸備線 狩留家~白木山駅間で橋桁が流出しました。

報道でそのことを知り、すごく嫌な予感がしたんですよね。
というのも、ちょうど1年前の九州北部豪雨で、久大本線 光岡(てるおか)~日田駅間の橋が流されており、この区間の復旧に1年以上かかったのです。(今月14日に運転再開)

そして案の定、狩留家~三次駅間は 「運転再開まで少なくとも1年以上かかる」 と発表されました。
やはり、橋桁の架け替えには それだけ長期間を要するんですね。


その狩留家~三次駅間と共に、「運転再開まで少なくとも1年以上かかる」 と発表された線区が、同じ芸備線の三次~備後落合駅間、福塩線 府中~三次駅間、木次線 出雲横田~備後落合駅間です。

これらの線区は、2016年度の平均通過人員(輸送密度) PDF  が いずれも200人台と極めて少ないので、被災状況などによっては 復旧せずに廃止ということも考えられます。
少し心配なところです。


※2018年8月10日追記※
山陽線の全線復旧が11月から10月になるなど、多くの線区で運転再開の見込み時期が前倒しされました。
芸備線 三次~備後落合駅間、福塩線 府中~三次駅間は、2019年1~3月中に運転再開する予定とのことです。

詳しくは別記事 「【西日本豪雨】 山陽線・呉線などで運転再開の見込み時期を前倒し!10月末までに多くの路線が復旧! 」 をご覧ください。

また、木次線 出雲横田~備後落合駅間は 2018年8月8日に運転を再開しました

広告