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※写真は新大阪駅で2017年4月に撮影。


2019年9月20日、JR東日本・JR東海・JR西日本が、「3社で協力して、在来線および新幹線におけるIC定期券のサービス向上を図る」 と発表しました。
このブログでは、その内容について 3回に分けて取り上げます。(この記事は3回目)

今回は、新幹線におけるIC定期券のサービス向上についてです。

※Suicaエリア、TOICAエリア、ICOCAエリアでは、以下の全国相互利用カードが利用可能です。
Kitaca・Suica・PASMO・TOICA・manaca・ICOCA・PiTaPa・SUGOCA・nimoca・はやかけん
(以下、「ICカード」 は これら10種類のカードのことを指します)


【JR東海 ニュースリリース(PDF)】
在来線および新幹線におけるIC定期券のサービス向上について

★前回の記事★



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①東海道・山陽新幹線 東京~新岩国駅間でIC定期券を発売

在来線ではおなじみのIC定期券ですが、東海道・山陽新幹線の定期券 「FREX」(通勤)と「FREXパル」(通学)は、2019年現在 磁気定期券のみとなっているんですよね。

2021年春から、東京~新岩国駅間で IC定期券(Suica・TOICA・ICOCA)の発売が開始されます。

これにより、東海道・山陽新幹線で通勤・通学する定期券利用の人も、自動改札機にタッチするだけで改札を通過でき、紛失時の再発行も可能になります。


新幹線IC定期券1(JR東海 ニュースリリースより)


新幹線IC定期券2(JR東海 ニュースリリースより)

※上の図は、JR東海 ニュースリリースより引用。


現在の新幹線磁気定期券と同様、在来線と新幹線を通じたICカード定期券や、東海道新幹線(JR東海)と山陽新幹線(JR西日本)をまたがるIC定期券も発売されます。

なお、新幹線IC定期券は、現在の磁気定期券と同様、新幹線に並行する在来線も利用できます

新幹線と在来線とで管轄が異なる区間でも同様で、例えば、東京⇔三島の新幹線定期券で並走する東海道線(東京~熱海駅間はJR東日本)を利用できたり、米原⇔新大阪の新幹線定期券で 並走する琵琶湖線・JR京都線(JR西日本)を利用できたりするわけです。



②在来線IC定期券による 「新幹線乗車サービス」の利用区間拡大

新幹線IC定期券3(JR東海 ニュースリリースより)

※上の図は、JR東海 ニュースリリースより引用。


新幹線乗車サービス」 とは、定期券区間内に新幹線停車駅が2駅以上含まれる在来線IC定期券を、新幹線の自動改札機にタッチするだけで 定期券区間内の新幹線(普通車自由席)に乗車できるサービスのこと。

例えば、掛川⇔清水の在来線IC定期券を持っている場合、定期券区間内に新幹線停車駅が2駅(掛川・静岡)含まれているので、掛川~静岡駅間で新幹線に乗車できる というわけです。

特急料金は 新幹線降車駅の自動改札機でチャージ額から引き去ります。

2019年現在のサービス区間は 東海道新幹線 三島~岐阜羽島駅間ですが、こちらも 2021年春から東京~新岩国駅間に拡大します。




以上、新幹線におけるIC定期券のサービス向上について書きました。


東海道・山陽新幹線で これまでIC定期券が発売されていなかったのが ちょっと意外な感じがしますが、新幹線の磁気定期券は 定期券区間内で並走する在来線を "2つのエリアを跨いで" 利用できるのに、ICカードは 「エリア跨ぎ」 ができない というのがネックになっていたのでしょう。

Suicaエリア・TOICAエリア・ICOCAエリアが 熱海・国府津・米原で接続するからこそ、新幹線IC定期券の発売が可能になった というわけです。



今回の発表で残念だったのは、新幹線のIC定期券の発売と 新幹線乗車サービスの区間が 東京~博多駅間の全線ではなく 東京~新岩国駅間になっていることです。

新岩国~博多駅間が入らなかったのは、並走する 山陽線 南岩国~下関駅間でICカードが使えないからでしょう。

山口県の在来線では、ICカードの使える駅が 和木・岩国・南岩国・下関の4駅しかなく、県内のほとんどの駅でICカードが使えません。

せめて、山陽線は全駅でICカードが使えるようになれば良いと思うのですが、今回の発表を見ると、2021年春以降も 県内のほとんどの駅でICカードが使えないまま の可能性が高そうです。


下関(新幹線は新下関)~博多駅間は 在来線がJR九州になるので、小倉・博多までの新幹線IC定期券を発売するには JR九州の協力が必要になるでしょうね。

果たして、JR西日本のICOCAエリアと JR九州のSUGOCAエリアが下関で接続する日は来るのでしょうか・・・


※2019年11月9日追記※
山陽線 南岩国~徳山駅間へのICOCA導入が発表されました。
この区間では 2022年春からICカードが使えるようになる予定です。



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