443
※和歌山駅に停車中の117系。
ダイヤ改正後、きのくに線の和歌山~御坊駅間では9割以上が223系・225系で運転され、117系は朝と深夜にしか運転されなくなります。


きのくに線の和歌山~紀伊田辺駅間では、2014年3月15日に行われるダイヤ改正で、行き先の変更や運転区間の見直しが行われる普通電車が多数あり、朝晩のダイヤが大きく変化します。

今回は、きのくに線の新旧ダイヤを徹底比較!
和歌山~紀伊田辺駅間の 特急 「くろしお」 停車駅について、普通電車の発車時刻、終点への到着時刻を Excel で表にまとめてみました。



広告

【平日】 朝の紀伊田辺方面
きのくに線 朝の紀伊田辺方面(平日)
※行き先が書いていないものは、全て紀伊田辺行きです。

まずは、朝の紀伊田辺方面行きの新旧比較から。

先日書いた記事 でもお伝えしたとおり、新大阪発の紀伊田辺行きが湯浅行きに短縮されたほか、その前後に設定されている湯浅行きが、それぞれ御坊行き・紀伊田辺行きに延長されています

湯浅駅の発車時刻を見ると、これまでは 7:36発の紀伊田辺行きの次が8:37発となっており、朝ラッシュ時にも関わらず、御坊方面行き電車が1時間に1本しかないという事態になっていましたが、改正後は 7:37発の次が8:11発と、運転間隔が34分に縮まりました。

8:11発の電車の御坊駅到着時刻は8:30
まさに、「通勤・通学に便利な時間帯」 ですよね。


しかし、和歌山8:38発の御坊行きが湯浅行きに短縮され、その影響で、湯浅8:52発の次が9:57発と、今度は朝8~9時台に運転間隔が1時間以上開いてしまいました。


朝7~8時台の和歌山方面→御坊へのアクセスが改善された一方、御坊から紀伊田辺方面のダイヤが悲惨なことになっています。

これまでは、御坊7:56発の電車以降、1時間間隔で運転されていましたが、改正後は 7:57発の次が 9:12発!
さらに、御坊9:57発の電車が運転取り止めになり、9:12発の次が10:56発!
朝9~10時台で2時間近く電車が来ない事態に・・・。

また、和歌山9:20発の御坊行きの発車時刻が5分繰り上がり、9時台のダイヤが日中と同じになりました。



【休日】 朝の紀伊田辺方面
きのくに線 朝の紀伊田辺方面(休日)
休日ダイヤも、改正内容は平日とほぼ同じです。
1日に1本しか設定されていないレアな行き先 「海南行き」 が、今回のダイヤ改正で姿を消すことになります。

改正後の休日ダイヤは、和歌山6:21発の湯浅行きが休日運休になる点を除くと、平日とほとんど変わりません。




【平日】 朝の和歌山方面
きのくに線 朝の和歌山方面(平日)
※行き先が書いていないものは、全て和歌山行きです。
和歌山駅は、阪和線直通電車も含め 到着時刻を記しています。

続いては、朝の和歌山方面行きの新旧比較です。
紀伊田辺5:23発の始発電車が、紀伊田辺~御坊駅間で運転取り止めになっています。

湯浅8:30発の電車の発車時刻が12分遅くなり、その次の電車は 湯浅発から御坊発に変更されています。

御坊駅の発車時刻を見ると、これまでは8:00発の次が9:08発でしたが、
改正後は 7:58発の後に8:35発の電車が加わり、朝8時台に運転間隔が1時間以上開くという事態が解消されました。

おそらく、湯浅行きから御坊行きに延長された電車が御坊駅到着(8:30)から5分後に 和歌山方面へ折り返すのでしょう。


また、御坊9:52発の電車が 紀伊田辺9:06発 御坊行きと統合する形で、御坊発から紀伊田辺発に変更されている点にも注目です。




【休日】 朝の和歌山方面
きのくに線 朝の和歌山方面(休日)
休日ダイヤは、平日以上に大きく変化しています。

表を見てまず気づくのは、快速が増発されている点。
紀伊田辺5:42発の普通電車が、紀伊田辺5:40発の快速と 御坊6:26発の普通電車に分割された形です。

御坊6:05発の電車が 和歌山行きから 和歌山から紀州路快速となる京橋行きに変更されたほか、湯浅8:46発の電車の発車時刻が4分早くなりました。

「海南行き」 の廃止に伴って、海南8:37発の電車が運転取り止めになった一方、紀伊田辺8:17発の電車の前後に、御坊8:35発の電車と 湯浅9:46発の電車が増発されています。


湯浅駅

湯浅駅(休日)
先日書いた記事  で、湯浅駅の朝8時台の到着・発車時刻をまとめた図を貼りましたが、ダイヤ改正後はどうなったのかというと・・・


湯浅駅 - ダイヤ改正後
朝8時台の到着・発車時刻が 平日・休日共通になりました。
新大阪発の電車は、湯浅駅到着から5分後に 和歌山方面へ折り返します。

8:10着の電車は、てっきり紀伊田辺行きになるだろうと思っていましたが、御坊行きとなり、その折り返し電車が湯浅駅を8:54に発車するというダイヤになりました。

代わりに 8:52着の電車が紀伊田辺行きに延長されています。





【平日】 夜の紀伊田辺方面
きのくに線 夜の紀伊田辺方面(平日)
次は、夜の紀伊田辺方面行きの新旧比較です。

和歌山19:23発の御坊行きが、発車時刻を9分繰り下げた上で 御坊20:29発の電車と統合する形で 紀伊田辺行きに延長されたほか、その次の和歌山19:55発の電車も 同じように御坊発の電車と統合する形で 御坊行きから紀伊田辺行きに変更されています。

また、御坊~紀伊田辺駅間では 御坊20:12発の電車が新設され、御坊19:39発から21:05発まで おおよそ30分間隔になりました。

和歌山20:25発の御坊行きが湯浅行きに短縮され、その次の紀伊田辺行きの発車時刻が5分繰り上がっています。

和歌山22:25発の紀伊田辺行きは、御坊~紀伊田辺駅間で最終電車としての役目を果たしていましたが、改正後は御坊行きに短縮され、紀伊田辺駅に 最終電車が0時を超えて到着することはなくなりました。
(1本前の天王寺発の電車が最終電車になります)




【休日】 夜の紀伊田辺方面
きのくに線 夜の紀伊田辺方面(休日)
休日ダイヤは、こちらも平日以上に大きく変化。

なんと、快速がなくなっているのです!
和歌山18:55発の電車と統合する形で、普通電車に 「格下げ」 という、朝に和歌山行きの快速が増発されたのとは対照的な結果になりました。

そのためか、和歌山19:23発の電車の発車時刻が14分繰り上がって19:09発になっています。
(海南駅で後続の特急列車を待避するため、海南からの発車時刻は9~10分繰り上がります)

また、和歌山19:55発の湯浅行きが 発車時刻を10分早めた上で紀伊田辺行きに延長されたほか、その次の20:20発 御坊行き、20:50発 湯浅行きも紀伊田辺行きに変更されました。
前回のダイヤ改正で湯浅行きに短縮された2本が、わずか1年で御坊はおろか、紀伊田辺まで延長されるとは・・・。

一方で、和歌山21:16発の紀伊田辺行きは御坊行きに短縮されました。


これらの運転区間延長・短縮が行われた結果、御坊~紀伊田辺駅間では 御坊19:46発から22:00発まで25~40分間隔に、それ以降は約1時間間隔になりました。

改正前は、和歌山21:16発から3本連続で紀伊田辺行きだったので、22時以降の方が運転間隔が短く、やや供給過剰な感があったんですよね。

和歌山21:47発の電車は、発車時刻が5~8分繰り下がって和歌山21:55発となり、平日ダイヤと同じになりました。
(湯浅駅の発車時刻が改正前22:31、改正後22:45と大きく異なっているのは、特急列車の待避で8分間停車する駅が 御坊駅から湯浅駅に変更されたためです)



【平日】 夜の和歌山方面
きのくに線 夜の和歌山方面(平日)
最後は、夜の和歌山方面行きの新旧比較。

和歌山駅を20時台に発車する御坊行きが湯浅行きに短縮されたのに伴い、御坊20:37発の電車が御坊~湯浅駅間で運転取り止めとなり、発車時刻も14分繰り下がりました。

また、御坊21:10発の電車が 発車時刻を13分繰り下げた上で 御坊発から紀伊田辺発に変更されたほか、その次の御坊21:43発の電車が運転取り止めとなっています。

これらの見直しが行われた結果、御坊~湯浅駅間では 御坊20:13発以降 電車が2本削減されて、運転間隔が1時間以上開いてしまいました。




【休日】 夜の和歌山方面
きのくに線 夜の和歌山方面(休日)
休日ダイヤでは、皮肉なことに 夜の湯浅行き2本が紀伊田辺行きに延長されたことで、湯浅発の和歌山行き2本が運転取り止めになってしまいました。

また。御坊20:12発の電車の発車時刻が13分繰り下がり、紀伊田辺19:21発 御坊行きからの接続時間が 6分から19分と長くなっています。

湯浅駅の発車時刻を見ると、これまでは19:51発の電車以降、20:31発、20:56発、21:29発、22:02発、22:58発と、22:02発の電車までは25~40分間隔で運転されていましたが、改正後は 20:44発、21:43発、22:58発と 運転間隔が大きく広がったのが分かります。

ただし、紀伊田辺~湯浅駅間に限っては、これまで 終電の日根野行きと その前の電車との運転間隔が1時間半も開いていましたが、御坊21:10発の電車の発車時刻が13分遅くなった上で 紀伊田辺発に変更されたため、運転間隔が15分程度短くなりました。



以上、きのくに線の新旧ダイヤを比較していきましたが、ここで、今回のダイヤ改正で良くなった点・悪くなった点をまとめてみると・・・


【良くなった点】
①朝7~8時台の和歌山方面→御坊へのアクセスが改善
②御坊~湯浅駅間で御坊8:35発の和歌山行きが増発
③和歌山~紀伊田辺駅間を通して運転される電車が増加

平日
④御坊~紀伊田辺駅間で御坊20:12発の電車が新設

休日
⑤朝に和歌山行きの快速が増発
⑥御坊6:05発の電車が 和歌山行きから京橋行きに延長。
⑦湯浅9:46発の和歌山行きが増発
⑧海南行きが紀伊田辺行きに延長
⑨夜の湯浅行き2本が紀伊田辺行きに延長


【悪くなった点】

①御坊~紀伊田辺駅間で、現行の和歌山行き始発電車と、 紀伊田辺行き最終電車が運転取り止め
②御坊9:57発 紀伊田辺行きが運転取り止めとなり、 御坊から紀伊田辺方面は9~10時台で2時間近く電車が来なくなる

③新大阪発の紀伊田辺行きが湯浅行きに短縮
④湯浅~御坊駅間で8~9時台に 御坊行きの運転間隔が1時間以上開く

平日
⑤和歌山20:25発の御坊行きが湯浅行きに短縮
⑥20時台以降、御坊~湯浅駅間で和歌山行きが2本削減され、 運転間隔が1時間以上開く


休日
⑦紀伊田辺行きの快速が普通電車に格下げ
⑧夜の湯浅発 和歌山行き2本が運転取り止めとなり、運転間隔が広がる



JR西日本のプレスリリース  では 「和歌山~紀伊田辺駅間では、お客様のニーズにあわせたダイヤ設定を行います。 これにより、一部の列車については運転区間の見直しや行き先が変更となります。」 としか書かれていませんでしたが、新旧ダイヤを比較すると、思った以上に大規模なダイヤ改正になっているのが分かるでしょう。

今回の改正では 良くなった点が多い反面、悪くなった点もかなり多くなってしまいました。
特に、朝の御坊から紀伊田辺方面のダイヤと、夜の和歌山方面行きダイヤの改悪ぶりが凄まじいですね。

来年以降、きのくに線のダイヤは ほとんど変わらないのか、それとも また新たに手が加えられるのか、注目していきたいと思います。


広告