津田英治さんといえば、JR西日本の大阪環状線・大和路線・JRゆめ咲線・おおさか東線やJR東海の中央線(金山~中津川駅間、以下 「中央西線」 )、近鉄の一部の主要駅、大阪モノレール、神戸市営地下鉄 西神山手線、愛知環状鉄道などなど、多くの駅の自動放送を担当されていますが、とりわけ印象的なのは、JR東日本 ATOS導入路線の駅自動放送(いわゆるATOS放送)でしょう。

ATOSとは、JR東日本の在来線に導入されている 運行管理システムのこと。
山手線や京浜東北線、埼京線など 首都圏JR線の多くの駅でATOS放送が流れており、津田さんの名が 駅自動放送ファンに広く知られるきっかけにもなりました。

しかし今、そんな津田さんの放送に異変が起きています。
なんと、ATOS放送の男声が別の人の声に変えられているのです!


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宇都宮線
の北の方の駅から始まった この動きは、高崎線東海道線常磐線にも広がっています。
いずれも 来年(2015年)3月に開業する 「上野東京ライン」 に絡んでいる路線です。

開業にあたって、「上野東京ライン」 や 「ときわ」 など 新たなパーツの収録が必要になるのですが、津田さんのパーツを追加するのではなく、放送の声そのものを変えるとは驚きました。

新しい男声放送の声の主が誰なのかは分かりません。
ダンディーな低音ボイスが印象的ですが、何となく合成音声のようにも聞こえますね。

有田洋之さん(大阪市営地下鉄の駅自動放送を担当)ではないかと 一部で言われていますが、いやいや、全然違うでしょう!!!
誰が言い出したのこれ・・・。

ATOSというシステムの都合上、放送内容は 津田さんの放送を踏襲しています。

一方で、女声の放送は 向山佳比子(さきやま けいこ)さんのままです。
男声放送が変更され始めた当初は、女声の放送も そのうち変わるだろうと思っていましたが、一部の駅では 駅名連呼のパーツが録り直されているらしく、今後もしばらくは 向山さんがATOSの女声放送を担当されるものと思われます。
(それなら、女声の 「スワローあかぎ」 のパーツだけ合成音声だったのは一体なぜ・・・)

運行管理システムの更新(取り替え)で 新しい自動放送に変わることは よくありますが、今回 ATOSのシステム自体は更新されておらず、男声の担当者だけが変わるという 異例の事態となりました。


同じ頃、遠く離れたJR東海 名古屋地区でも大きな動きが!
東海道線 新所原~米原駅間で運行管理システムが更新され、豊橋~大垣駅間を中心に 駅自動放送が一新されましたが、女声は中央西線と同様 向山さんだったのに対し、男声が津田さんではなかったのです!
(こちらはATOS放送と異なり、西鉄の駅自動放送と同じ人でした)


この2つの出来事、偶然とは思えません。
考えられるのはただ一つ。
津田さんが駅自動放送の活動を 引退 されたということです。
津田さんは 2014年12月現在66歳であり、定年を迎えられたのではないかと思います。

首都圏JR線の 「新しい放送」 の象徴だった 津田さんのATOS放送ですが、「旧放送」 になる時がこんなに早く来るとは思いもしませんでした。

ただ、津田さん自身の声が ここ10年の間に変化し、以前のような かたい感じの声を出せなくなっていたのが分かっていたので、津田さんがいつまでATOS放送を担当されるのか 前から少し気になっていました。
(「むさしの号」 や 「スワローあかぎ」 の男声放送を聞いてみると、声の違いが分かると思います)

横浜線や京葉線・青梅線といった 今後ATOSが導入される路線では、はじめから 新しいATOS男声放送が採用されるでしょう。
武蔵野線(2012年にATOS導入)が 津田さんのATOS放送最後の導入路線ということになりますね。


上野東京ラインに絡まない 山手線や埼京線などでも、そのうち 男声放送変更の波が押し寄せてくるのでしょうか?
ATOS導入路線と同じタイプの放送が流れる仙台駅も、仙石線が 来年6月に全線復旧するのに合わせて 「仙石東北ライン」 が開業するため、放送が更新される可能性があります。

また、JR西日本管内でも、2018年に おおさか東線の新加美~JR長瀬駅間に新駅が設置され、さらに2019年には おおさか東線 放出~新大阪駅間の延伸開業も控えているので、その時までに放送を更新することがあるかもしれません。

津田さんの放送、今後は次第に数を減らしていくことになるでしょうね・・・


余談ですが、大阪市営地下鉄の千日前線では、ホームドアが全駅で設置・稼動開始したことに伴い、接近放送が一部変更され、「危険ですから、白線の内側へ­お下がりください」 という文言が危険ですので、ホーム柵から離れてお待ちください」 になりました。
「危険ですので」 という言い回し、何だか阪急の接近放送みたいです。 

この男声放送が有田洋之さんなわけですが、変更後の千日前線の放送と、JR東の新型ATOS放送とを聞き比べてみると・・・
やっぱり全然声違うじゃないですか(´・ω・`)


※2015年4月28日追記※
新型ATOS放送の男声は 田中一永(たなかかずひさ)さんと判明しました。
詳しくは別記事 「
新型ATOS放送の男声 「有田洋之さん説」 はデマだった!声の主がついに判明!!!」 をご覧ください。

※2015年4月29日追記※
この記事で当初、津田英治さんの年齢を61歳と書いていましたが、朝日新聞が66歳と報じたため、修正しました。
詳しくは別記事 「津田英治さんの年齢が間違っていた!?」 をご覧ください。

※2015年5月31日追記※
仙台駅の自動放送の男声は、仙石東北ライン開業後も津田英治さんのままでした。
ただし、「仙石東北ライン 快速 石巻行きがまいります」 ではなく、「東北本線、回り、快速、石巻、行きが、まいります」 という文言になっているほか、「この列車は 折り返し、仙石東北ライン 石巻行きになります」「この列車は、塩釜から先は、仙石線で運転しますので、お気をつけ下さい」 など、新たに収録されたパーツは 津田さんの番線も含め 全て女声(向山さん)になっています。

※2018年5月24日追記※
2018年3月17日に おおさか東線の新加美~JR長瀬駅間に、「衣摺加美北(きずりかみきた)駅」 が開業しました。
駅の自動放送は 男声・津田さん、女声・向山さんで、電車到着時に 「衣摺加美北、衣摺加美北です。」 という駅名連呼も流れます。

※2020年1月11日追記※
2019年3月に開業したおおさか東線 放出~新大阪駅間は、学研都市線と同じ放送(男声:村山明さん、女声:よしいけいこさん)でした。


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