昨年から始まった 「大阪環状線改造プロジェクト」。
駅の改良や発車メロディ導入などが順次行われていますが、プロジェクトの最大の目玉が 新型車両の導入です。
大阪環状線を走る電車は、阪和線・大和路線からの直通電車を除き、2014年現在も 国鉄時代に製造された103系・201系で占められており、ドル箱路線にふさわしい新しい車両を望む声が少なくありませんでした。
製造される新型車両がどのようなものなのか これまで公表されていませんでしたが、2014年12月8日に その概要がついに発表されたので、このブログで紹介しておこうと思います。
【JR西日本 ニュースリリース】
『大阪環状線改造プロジェクト』進行中!大阪環状線に新型車両「323系」を投入!
安全性とサービス水準を高めた新しい車両が登場します
大阪環状線に導入される新型車両は、323系。
通勤形電車ということで、321系の続番となりました。
気になるのは新型車両の外観。 さっそく323系のイメージ図を見てみると・・・
※JR西日本 ニュースリリースより引用。
まさかの225系顔!!!
321系の面影は全くなく、225系や227系、521系3次車と同じ のっぺり顔となりました。
福知山線(JR宝塚線)の脱線事故を受け、225系には 「ともえ投げ方式」 と呼ばれる 衝撃を上方に逃がす構造が採用されています。
この衝突安全対策を その後製造される車両全てに取り入れた結果、近郊形・通勤形に関係なく、必然的に225系ベースの顔になってしまうのでしょうね。
ちょっと複雑な気持ちです。
車両デザインは、JR西曰く、「大阪環状線の電車として長年親しまれてきたオレンジ色を基調とした先進的な外観」 とのことで、先頭部の窓のまわりとライトの下、側面の窓の下に 細いオレンジの線が描かれ、ドアの左右と上にオレンジ色が配置されるといったデザインに。
大阪環状線改造プロジェクトのログマークが先頭部と側面に描かれているほか、ドア先に黄色のラインが配置されています。
103系は鋼製車体でしたが、323系は321系と同じくステンレス製の車体です。
また、運転台計器類やパンタグラフなどを二重系化し、運用中に片方が壊れた場合でも もう片方が使えるようにします。
最高運転速度は 103系と同じ時速100Km。
321系では時速120Kmだったので、少し退化したようにも見えますが、環状線内で高速運転する必要がないためでしょうか。
行き先表示器は、227系や207系リニューアル車と同じく フルカラーLED。
イメージ図では 「大阪環状線」 としか表示されていませんが、これだけでは どちらの方向へ行くのか分からないので、「外回り」 「鶴橋・天王寺方面」 などと交互に表示されると もっと良いですね。
種別幕(フルカラーLED?)には、路線記号(環状線は 「O」 ) が記されています。
323系で外観と共に大きな話題となったのが、ドアの数。
103系や201系、321系といった通勤形電車には、これまで 1両の片側に4つドアがありましたが、323系では 3つに減らされています。
環状線に乗り入れてくる阪和線・大和路線の近郊形電車(221系・223系・225系)が3ドアなので、これに合わせることで、これまで4ドア車と3ドア車で異なっていた乗車位置が統一され、ホームドアを設置しやすくなるのです。
ただ、ドア数が減ると これまでより乗り降りに時間がかかり、混雑による遅延が発生しやすくなることが懸念されます。
JR西は、通常4ドア車で運転している朝ラッシュ時の普通電車を3ドア車で統一する試験を2014年2月に実施した結果、「3ドア車でも遅延や大きな混乱はない」 と判断したようですが、果たして・・・
続いては、車内についてです。
通勤形ということで、座席はロングシート。
207系リニューアル車で新設された 座席中間の仕切りと縦の握り棒や座席端の大型化された袖仕切りが 323系にも採用されているほか、優先座席に個別の袖仕切りが設置されるようです。
これまでは7人掛けのロングシートが配置されていましたが、ドア数が減ったことで 10人掛け(3+4+3人掛け)になりました。
8号車(大阪駅での天満方先頭車)は 混雑が激しいため、座席数を減らして 出入口スペースを広げるという、他の車両(1~7号車)とは異なる構造になっています。
環状線の車両は、大阪駅や京橋駅の構造上、8号車は大混雑しているのに 1号車は空いていたりと、混雑に偏りがあるんですよね・・・。
出入り口スペースには 立ち席用の腰当てが設置されます。
車内の照明は、もちろんLED。
207系リニューアル車と同様、照明のカバーは取り付けられないようです。
案内ディスプレイは、321系や225系と大きく異なり、ドアの上に2画面×6ヶ所、車端部に2画面×2ヶ所設置されるほか、日本語・英語に加え 中国語や韓国語でも案内されます。
8ヶ所16画面の設置や 案内情報の4カ国語化は、JR西日本で初めてのことです。
103系・201系には 案内ディスプレイはおろか、3色LEDの案内表示板すらなかったので、利用客、とりわけ外国人にとっては 格段に分かりやすくなりますね。
また、日本語・英語の車内自動放送も流れます。
首都圏の路線や 大阪市営地下鉄ではおなじみとなっている 車内自動放送ですが、JR西の在来線では 特急列車・関空快速やワンマン運転の列車を除いて、これまで 車内自動放送が導入されていなかったんですよね。
関空快速とは異なる声の自動放送になるのか、気になるところ。
それから、駅や駅ビルなどで展開されている無料公衆無線LANサービスがJR西の普通列車で初めて導入されます。
特急 「はるか」 に導入された無料公衆無線LANサービスは 訪日外国人向けで、ゲストコードを取得する必要がありましたが、323系では誰でも自由に使えるようです。
あと、空気清浄機を1編成で試行設置するとのことですが、歓迎というより、むしろ これまでなかったのが不思議なくらいです。
103系や201系ならとにかく、321系や225系にも未設置だったとは・・・
今回製造される323系は、2016年度から2018年度にかけて、大阪環状線とJRゆめ咲線に 8両編成のものを計21本投入。
環状線を走る103系・201系を全て置き換えます。
以上、323系の概要について書きました。
数年前から環状線への新型車両導入が宣言されていましたが、車両の外観などが発表され、本当に新しくなるんだという実感が湧いてきました。
40年以上使われた古い車両から 最新型の車両になり、環状線が 一気に近代化しますね!
323系の運用開始が楽しみです。
ただ、予想していたとはいえ、新型車両と引き換えに 現在運用されている103系と201系が2018年度までに 環状線から全て姿を消すことが正式に発表され、少し寂しい気持ちにもなりますね。
環状線の103系は引退、201系は両数を8両から6両に減らした上で、2019年春に延伸開業する おおさか東線などへ転属でしょうか?
オレンジの103系や201系は見慣れすぎて これまであまり撮ってきませんでしたが、今後は いろいろ撮っておこうと思います。
駅の改良や発車メロディ導入などが順次行われていますが、プロジェクトの最大の目玉が 新型車両の導入です。
大阪環状線を走る電車は、阪和線・大和路線からの直通電車を除き、2014年現在も 国鉄時代に製造された103系・201系で占められており、ドル箱路線にふさわしい新しい車両を望む声が少なくありませんでした。
製造される新型車両がどのようなものなのか これまで公表されていませんでしたが、2014年12月8日に その概要がついに発表されたので、このブログで紹介しておこうと思います。
【JR西日本 ニュースリリース】
『大阪環状線改造プロジェクト』進行中!大阪環状線に新型車両「323系」を投入!
安全性とサービス水準を高めた新しい車両が登場します
広告
大阪環状線に導入される新型車両は、323系。
通勤形電車ということで、321系の続番となりました。
気になるのは新型車両の外観。 さっそく323系のイメージ図を見てみると・・・
※JR西日本 ニュースリリースより引用。
まさかの225系顔!!!
321系の面影は全くなく、225系や227系、521系3次車と同じ のっぺり顔となりました。
福知山線(JR宝塚線)の脱線事故を受け、225系には 「ともえ投げ方式」 と呼ばれる 衝撃を上方に逃がす構造が採用されています。
この衝突安全対策を その後製造される車両全てに取り入れた結果、近郊形・通勤形に関係なく、必然的に225系ベースの顔になってしまうのでしょうね。
ちょっと複雑な気持ちです。
車両デザインは、JR西曰く、「大阪環状線の電車として長年親しまれてきたオレンジ色を基調とした先進的な外観」 とのことで、先頭部の窓のまわりとライトの下、側面の窓の下に 細いオレンジの線が描かれ、ドアの左右と上にオレンジ色が配置されるといったデザインに。
大阪環状線改造プロジェクトのログマークが先頭部と側面に描かれているほか、ドア先に黄色のラインが配置されています。
103系は鋼製車体でしたが、323系は321系と同じくステンレス製の車体です。
また、運転台計器類やパンタグラフなどを二重系化し、運用中に片方が壊れた場合でも もう片方が使えるようにします。
最高運転速度は 103系と同じ時速100Km。
321系では時速120Kmだったので、少し退化したようにも見えますが、環状線内で高速運転する必要がないためでしょうか。
行き先表示器は、227系や207系リニューアル車と同じく フルカラーLED。
イメージ図では 「大阪環状線」 としか表示されていませんが、これだけでは どちらの方向へ行くのか分からないので、「外回り」 「鶴橋・天王寺方面」 などと交互に表示されると もっと良いですね。
種別幕(フルカラーLED?)には、路線記号(環状線は 「O」 ) が記されています。
323系で外観と共に大きな話題となったのが、ドアの数。
103系や201系、321系といった通勤形電車には、これまで 1両の片側に4つドアがありましたが、323系では 3つに減らされています。
環状線に乗り入れてくる阪和線・大和路線の近郊形電車(221系・223系・225系)が3ドアなので、これに合わせることで、これまで4ドア車と3ドア車で異なっていた乗車位置が統一され、ホームドアを設置しやすくなるのです。
ただ、ドア数が減ると これまでより乗り降りに時間がかかり、混雑による遅延が発生しやすくなることが懸念されます。
JR西は、通常4ドア車で運転している朝ラッシュ時の普通電車を3ドア車で統一する試験を2014年2月に実施した結果、「3ドア車でも遅延や大きな混乱はない」 と判断したようですが、果たして・・・
続いては、車内についてです。
通勤形ということで、座席はロングシート。
207系リニューアル車で新設された 座席中間の仕切りと縦の握り棒や座席端の大型化された袖仕切りが 323系にも採用されているほか、優先座席に個別の袖仕切りが設置されるようです。
これまでは7人掛けのロングシートが配置されていましたが、ドア数が減ったことで 10人掛け(3+4+3人掛け)になりました。
8号車(大阪駅での天満方先頭車)は 混雑が激しいため、座席数を減らして 出入口スペースを広げるという、他の車両(1~7号車)とは異なる構造になっています。
環状線の車両は、大阪駅や京橋駅の構造上、8号車は大混雑しているのに 1号車は空いていたりと、混雑に偏りがあるんですよね・・・。
出入り口スペースには 立ち席用の腰当てが設置されます。
車内の照明は、もちろんLED。
207系リニューアル車と同様、照明のカバーは取り付けられないようです。
案内ディスプレイは、321系や225系と大きく異なり、ドアの上に2画面×6ヶ所、車端部に2画面×2ヶ所設置されるほか、日本語・英語に加え 中国語や韓国語でも案内されます。
8ヶ所16画面の設置や 案内情報の4カ国語化は、JR西日本で初めてのことです。
103系・201系には 案内ディスプレイはおろか、3色LEDの案内表示板すらなかったので、利用客、とりわけ外国人にとっては 格段に分かりやすくなりますね。
また、日本語・英語の車内自動放送も流れます。
首都圏の路線や 大阪市営地下鉄ではおなじみとなっている 車内自動放送ですが、JR西の在来線では 特急列車・関空快速やワンマン運転の列車を除いて、これまで 車内自動放送が導入されていなかったんですよね。
関空快速とは異なる声の自動放送になるのか、気になるところ。
それから、駅や駅ビルなどで展開されている無料公衆無線LANサービスがJR西の普通列車で初めて導入されます。
特急 「はるか」 に導入された無料公衆無線LANサービスは 訪日外国人向けで、ゲストコードを取得する必要がありましたが、323系では誰でも自由に使えるようです。
あと、空気清浄機を1編成で試行設置するとのことですが、歓迎というより、むしろ これまでなかったのが不思議なくらいです。
103系や201系ならとにかく、321系や225系にも未設置だったとは・・・
今回製造される323系は、2016年度から2018年度にかけて、大阪環状線とJRゆめ咲線に 8両編成のものを計21本投入。
環状線を走る103系・201系を全て置き換えます。
以上、323系の概要について書きました。
数年前から環状線への新型車両導入が宣言されていましたが、車両の外観などが発表され、本当に新しくなるんだという実感が湧いてきました。
40年以上使われた古い車両から 最新型の車両になり、環状線が 一気に近代化しますね!
323系の運用開始が楽しみです。
ただ、予想していたとはいえ、新型車両と引き換えに 現在運用されている103系と201系が2018年度までに 環状線から全て姿を消すことが正式に発表され、少し寂しい気持ちにもなりますね。
環状線の103系は引退、201系は両数を8両から6両に減らした上で、2019年春に延伸開業する おおさか東線などへ転属でしょうか?
オレンジの103系や201系は見慣れすぎて これまであまり撮ってきませんでしたが、今後は いろいろ撮っておこうと思います。