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※ICOCAのマスコットキャラクター 「カモノハシのイコちゃん」。(新大阪駅で撮影)


JR西日本のICカード乗車券 「ICOCA」。
2003年11月にサービス開始して以来、多くの人が利用し、2014年11月には 累計発行枚数が1000万枚を突破しました。

そんなICOCAですが、JR西日本の全路線で使えるわけではなく、関西にも ローカル線を中心に ICOCAの利用できない路線・区間が少なからずあるんですよね。

これ以上 ICOCAの利用できる駅を増やすつもりはないのかと思っていたところ、先日(2015年2月23日)、JR西日本が 近畿圏のICOCAエリアを拡大すると発表したので、このブログで取り上げたいと思います。


【JR西日本 ニュースリリース】
ICカード乗車券「ICOCA」のサービスを拡充します!
「ICOCA発売額の多様化」「近畿圏ICOCAエリアの拡大」



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近畿圏のICOCAエリアが拡大するのは、2008年3月に おおさか東線 久宝寺~放出駅間が開業して以来、実に7年ぶりことです。
新線開業に伴うものを除けば、新快速の敦賀駅乗り入れが始まった 2006年10月21日に 北陸本線の虎姫~近江塩津駅間、湖西線の北小松駅以北で利用可能になって以来でしょうか。


今回新たに ICOCAエリアに加わるのは、以下の4路線です。


ICOCAエリア拡大 きのくに線・加古川線・播但線・姫新線
※上の図は、JR西日本 ニュースリリースより引用。


【2015年8月から利用可能】
きのくに線 宮前~海南駅間(4駅)

【2016年3月から利用可能】
加古川線 日岡~西脇市駅間(12駅)
播但線 京口~寺前駅間(11駅)
姫新線 播磨高岡~播磨新宮駅間(6駅)


きのくに線では、2015年8月から 宮前駅・紀三井寺駅・黒江駅・海南駅で ICOCAが利用できるようになります。
この4駅は、いずれも1日の平均乗車人員が1000人以上であり、中でも海南駅は きのくに線の単独駅で最多の利用客数を誇っています。
今回は、きのくに線で特に利用客の多い区間が ICOCAエリアに加えられた形です。

個人的には、御坊駅までICOCAエリアに入れたら良いのにと思いますが、4駅のICOCA利用状況や、利用者の反応などを見てから判断するのでしょうか?

海南駅は、1日の平均乗車人員が3000人を超えており、ICOCA導入に合わせて、自動改札機が設置される可能性があります。


2016年3月から、加古川線は西脇市駅まで、播但線は寺前駅まで、姫新線は播磨新宮駅まで ICOCAが利用できるようになります。
どの路線もJR神戸線に接続しており、神戸・大阪方面とのアクセスが比較的良いことから、ICOCAの利用増加が見込めると判断されたのでしょう。
特に播但線と姫新線は、沿線に高校が点在していて 他の路線からの通学利用も多く、これまでICOCAが使えなかったのが不思議なくらいでした。

播但線は、寺前駅を境に 姫路側が電化、和田山側が非電化となっており、今回は 電化されている区間が ICOCAエリアに加えられます。
この区間も 姫路駅を除いて福知山支社の管轄であり、福知山支社管内でのICOCA導入は、JR宝塚線の広野~篠山口駅間に次いで2例目となります。

姫新線は、路線記号の導入区間が 兵庫県最西端の上月(こうづき)駅までとなっていますが、姫路発の列車は 播磨新宮までの列車が大多数を占めていることから、ICOCAの利用できる区間も播磨新宮までとなりました。
関西の非電化路線でICOCAが使えるようになるのは、姫新線が初めてです。

加古川線は、今回ICOCAエリアに入る西脇市駅以南も含めて ほとんどの駅で 1日の平均乗車人員が3ケタ以下になっていますが、加古川駅でJR神戸線に乗り換える利用客が多いのでしょう。
粟生駅で 他社線(神戸電鉄)はICOCAが使えるのに 自社の路線は使えない といった事態を解消する狙いもありそうです。


ここまで、新たにICOCAエリアに加わる路線について書きましたが、関西でICOCAが使えない路線は 他にも まだまだあります。

北陸本線の近江塩津~敦賀駅間は、新快速が乗り入れているのに ICOCAが使えません。
やはり金沢支社がICOCAの導入に消極的なんでしょうか。

山陽本線の相生~上郡駅間も、同じ兵庫地区の加古川線・播但線・姫新線がICOCAエリアに加わる中、今回はICOCAの導入が見送られました。
赤穂線 相生~播州赤穂駅間より利用客が少ないとはいえ、上郡も 姫路・神戸への通勤圏内なので、ICOCAエリアに入れてあげたら良いのにと思います。
(ちなみに、始発はなぜか赤穂線よりも早く、終電も赤穂線より遅いんですよね)

草津線の貴生川~柘植駅間は 日中 毎時1本とはいえ 京都への通勤圏内なので、せめて、柘植の1駅手前の油日駅までICOCAエリアに入れてほしいところ。

関西線の加茂~亀山駅間 和歌山線の高田~和歌山駅間は、大回り乗車によく利用されるローカル線です。
全区間をICOCAエリアに入れると、いろいろと面倒なことになるのでしょうか?
せめて、和歌山線の高田~五条駅間、和歌山~粉河駅間だけでも ICOCAが使えるようになれば良いのですが。

JR西日本曰く、「ますます便利になるICOCAにご期待ください」 とのことで、今後のさらなるICOCAエリア拡大を期待したいと思います。

余談ですが、ICOCAエリアに入っていない路線のうち、北陸本線の近江塩津~敦賀駅間、草津線の貴生川~柘植駅間、関西線の加茂~柘植駅間、和歌山線の高田~和歌山駅間、山陽本線の相生~上郡駅間は、JR自由周遊区間(関西1デイパスで1日乗り放題となるエリア)に含まれています。
(きのくに線・加古川線・播但線・姫新線は含まれていません)

※2016年3月2日追記※
加古川線・播但線・姫新線の一部区間でのICOCA導入日は 2016年3月26日(土)です。
これに合わせて、姫路駅に中間改札が設置されます。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。
加古川線・播但線・姫新線の一部区間、2016年3月26日(土)からICOCAが利用可能に!
姫路駅に中間改札を設置!


※2019年8月14日追記※
北陸本線 近江塩津~敦賀・・・2018年9月15日にICOCA導入。
山陽本線 相生~上郡・・・2018年9月15日にICOCA導入。
草津線 貴生川~柘植・・・2018年3月17日にICOCA導入。
和歌山線 高田~五条・・・2018年3月17日にICOCA導入。
和歌山線 五条~和歌山・・・2020年春にICOCA導入予定。



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