嵯峨野線では、2019年春の開業を目指して、京都~丹波口駅間に、京都鉄道博物館の最寄駅となる新駅が設置されます。

その件について、過去記事 「嵯峨野線 京都~丹波口駅間に新駅設置決定!2019年春開業!」 で紹介しましたが、1つ気になる点がありました。


嵯峨野線新駅1
嵯峨野線新駅2
地図を見ると、嵯峨野線の線路とは別に 大阪方面から 京都駅を通らずに 直接 嵯峨野線へ向かう線路があります。
これは、 京都貨物駅と嵯峨野線を結ぶ 「山陰連絡線」 と呼ばれる短絡線で、東海道線の支線の1つです。


ところが、JR西日本のニュースリリースにある地図を見ると、七条通の真上、山陰連絡線が嵯峨野線に合流する場所に 新駅が設置されるかのようになっています。

もし、山陰連絡線を存続させた上で 新駅を設置するのであれば、新駅のホームは もう少し南側に設置されるはずです。

一体どういうことなのかと思っていたところ、2014年2月27日、JR西日本が 公式ホームページで 山陰連絡線を廃止する と発表しました。


【JR西日本 ニュースリリース】
嵯峨野線 京都~丹波口駅間新駅設置に関する事業基本計画の変更認可申請
ならびに東海道線(梅小路~丹波口間)の廃止届出書の提出について



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かつては、大阪方面から山陰連絡線を経由して嵯峨野線へ向かう臨時列車が設定されており、紅葉シーズンの土曜・休日に 神戸発 嵯峨嵐山行きの 「嵐山もみじ号」 が運転されたほか、1998年までは 和歌山発 園部行きの臨時快速列車もありました。

しかし、ここ数年はほとんど使用されておらず、錆取り列車が1日1往復するだけという寂しいものだったんですよね。

そのため、新駅の設置に伴って廃止される可能性もゼロではないだろうと思っていましたが、まさか本当に廃止されてしまうとは驚きました。

廃止する理由として、JR西は
①定期的な旅客輸送を行っておらず、将来的に営業線として活用する予定がないこと。
②山陰連絡線経由の貨物輸送を2006年4月に廃止していること。
③新駅を設置するにあたって支障をきたすこと。

の3点を挙げています。

「せっかく短絡線が設けられているのに、それを廃止するとはもったいない! 山陰連絡線経由の定期列車を走らせるなど有効活用できれば良いのに」 と思いますが、嵯峨野線の利用者は それよりも 京都駅発着列車の増発を望むでしょう。

大阪方面と嵯峨野線を結ぶ臨時列車も、後に 山陰連絡線を経由せず 京都駅で方向転換するというやり方に変わりましたし、やはり、京都駅を経由しないというのが良くなかったのかもしれません。
(大阪方面から嵯峨野線へ直通する臨時列車は 最終的に設定されなくなり、現在は 紅葉シーズンの土曜・休日に 京都発 嵯峨嵐山行きの臨時普通列車を運転)



山陰連絡線は高架化されているので、廃止するのが なおのこと もったいない気がしますが、乗りものニュースの記事 によると、線路跡地について JR西の広報部曰く、京都市が高架橋の一部を活用したうえで、新駅や梅小路公園の整備などを行う方向で検討を進めているとのこと。

確かに、山陰連絡線の線路跡に 新駅の下りホームを設置すれば、高架ホームの建設費を抑えることが出来ますね。

今後 旅客列車が走ることはないであろう路線をわざわざ 1日1往復 錆び取り列車を走らせてまで残しておく意義はなく、新駅を設置するにあたって支障をきたすとなれば、必然的に廃止するしかなくなりますね。


JR西の近畿エリアでの路線廃止は、かつて大和路線の八尾駅と 阪和線の杉本町駅を結んでいた阪和貨物線(2004年休止、2009年廃止)以来のことです。

廃止予定日は 1年後の2016年2月28日ですが、旅客輸送を行っていないという現状から、廃止日は繰り上げられる可能性もあります。
やむを得ないとはいえ、やっぱり 廃止されるのは悲しいですね。


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