2015年9月17日、JR西日本は 公式ホームページで、9月19日から 新幹線および在来線のホームでの自撮り棒(セルフィースティック)の使用を禁止する と発表しました。

【JR西日本 ニュースリリース】
ホームでの「自撮り棒」の使用を禁止させていただきます


北陸新幹線の駅のホームでは、今年3月の開業当初から 自撮り棒が使用禁止となっていましたが、今回、シルバーウィーク(9月19~23日の5連休)を迎えるのに合わせて JR西日本の全ての駅のホームで使用禁止されることになりました。

禁止する理由について、JR西日本は、「自撮り棒を伸ばして使用されることにより、周りのお客様のご迷惑になるだけでなく、列車との接触や 架線(電線)に近づくことによる感電などの危険性があるため」 としています。

なお、駅・列車内への自撮り棒の持ち込みや、ホーム以外での使用を禁止するものではないとのことです。



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自分は今のところ、自撮り棒を使っている人を見たことがありませんが、歩いている目の前で 自撮り棒を伸ばして使っている人がいたら 邪魔だなぁと思いますね。

ホームであっても、周りに人がいないことを確認した上で ホーム端から離れて使うのなら 問題ないと思いますが、混雑したホームで 周りを気にすることなく自撮り棒を使ったり、自撮り棒をホームから線路上にはみ出して使うなど、マナーの悪い人が多かったのでしょう。

また、架線には非常に強い電流が流れており、万が一 自撮り棒が架線に近づけば 死亡事故につながりかねません。

マナーを守って使っている人にとっては気の毒ではありますが、ホームでの事故防止のためには やむを得ませんよね。


ここまでなら、このブログでわざわざ取り上げなくてもよかったのですが、このニュースリリースの 「その他」 の項目に、自分にとって 非常に重要なことが書いてありました。


ホームにおいて 「長く伸ばした棒」 (以下、長尺物)を使用することが危険であるという認識から、その他の長尺物(釣り竿、薙刀(なぎなた)、スキー板、弓、録音機材など)を高く掲げる行為につきましても、あわせて禁止させていただきます。



録音機材を高く掲げる行為」 って、マイクを付けた一脚を伸ばして、ホームのスピーカーに密着させて録音する 密着録音のことじゃないですか!

ホームで流れる自動放送や接近・発車メロディに興味のある鉄道ファン(いわゆる音鉄)が これらを雑音なしで録るのに行う録音方法ですが、今回 自撮り棒の禁止に伴って JR西日本の駅のホームで密着録音することも禁止になるのです。

密着録音禁止のお知らせ

自分も 音鉄の1人で、JR西日本の駅自動放送や接近メロディを録音し、動画を作成・公開していますが(最近は 電光掲示板など ブログの記事を書くのに手一杯で、動画の作成に手が回らないです)、これまで 密着録音は したことがありません。

というのも、電車を撮影する 「撮り鉄」 などと違って、音鉄は 周りの人から なかなか理解されない趣味だと思うので、一脚を伸ばして ホームのスピーカーに密着させていたら、ホームにいる他の利用客から 変な目で見られるんじゃないかと思うんですよね。

そんなわけで、密着録音する勇気のない自分は、スピーカーのすぐ近くに立って、ICレコーダーを手に持って録音するのですが、このやり方だと、ホームにいる人の喋り声や咳、足音、ビニール袋のクシュクシュ音、キャリーバッグを引きずるゴロゴロ音、駅の近くを走る車やバイクの音など、どうしても雑音が入るんですよね。

特に、放送を録音している最中に 隣ののりばで電車が入線・発車したり、貨物列車などが通過したりすると、放送がそれらの音でかき消され、全く聞こえなくなってしまいます。

雑音が入るがゆえ、何度も録り直すことが多かったので、雑音なしで きれいに録れる密着録音は 自分にとって憧れでもありました。
自撮り棒禁止の煽りを受けて 音鉄が規制される事態になるとは 正直ショックです。


全駅のホームで自撮り棒を禁止するのは JR西日本が初めてですが、今後、JR東日本や大手私鉄など 他の鉄道会社にも波及していくのではないかと思います。
密着録音する音鉄の人にとっては、厳しい時代になりそうですね・・・


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