JR神戸線では 六甲道~灘駅間 御着~姫路駅間 で 新駅の設置工事が進められており、どちらも 来年(2016年)春に開業する予定です。

新駅の仮称は それぞれ 「まや」 「東姫路」 となっていますが、JR西日本の場合、正式に決定した駅名(正式名称)は 仮称と異なることが多く、これまで 仮称が正式名称に採用されたのは、北陸新幹線・城端線の新高岡駅ぐらいです。

新駅の駅名は 開業の半年くらい前に発表されることが多く、いつ発表されるのか、どんな駅名になるのか 気になっていましたが、2015年10月2日、JR西日本が公式ホームページで これらの新駅の駅名が決定したと発表したので、このブログで さっそく取り上げたいと思います。

【JR西日本 ニュースリリース】
JR神戸線(東海道線)六甲道・灘間新駅 駅名の決定について
JR神戸線(山陽線)御着・姫路間新駅 駅名の決定について


六甲道~灘駅間の新駅・・・摩耶駅

御着~姫路駅間の新駅・・・東姫路駅


JR神戸線・山陽線(姫路~上郡駅間)で 2000年以降に開業した新駅は、ひめじ別所駅さくら夙川駅はりま勝原駅 と、ひらがな+漢字の駅名が多くなっていましたが、今回は シンプルで無難な駅名に落ち着いたようです。

六甲道~灘駅間の新駅の駅名は 摩耶 と発表されました。
仮称は 「まや」 と なぜか平仮名でしたが、そんなダサい駅名になるわけないですよね。

もしかすると、JR西日本は 初めから 「摩耶」 という駅名にするつもりでいて、仮称をあえて平仮名にしていたのかなと思います。


JR西日本曰く、決定理由は 「摩耶」 は 「摩耶山」 に由来し、「摩耶埠頭」 「摩耶インター(阪神高速)」 など、近隣施設の名称に広く使用されており、なじみやすいため とのこと。

自分は当初、「摩耶」 は 摩耶埠頭や摩耶インター
(摩耶出入口と言った方が正しいかな?) がある 海沿いの地名かと思っていましたが、摩耶山に由来する名前で、阪急沿線の摩耶小学校や摩耶動物病院など 意外と広域で使われている名前なんですね。

むしろ、これまで 神戸市内のJR・阪急・阪神に摩耶という駅がなかったのが不思議に思えてきます。


ただ、今回 「摩耶」 という駅名に決まったのは 個人的に意外でした。
というのも、摩耶(まや) だと 西隣の駅である 灘(なだ) と発音が似ているんですよね。

そのため、新駅の名前は 「新摩耶」 や 「摩耶埠頭口」 など 「摩耶」 の前後に何か付けるか、「東灘」 など 全く別の名前になるのではないかと予想していました。

新駅の名前が摩耶になったことで 発音の似た駅が連続することになり、灘で降りるつもりの人が摩耶で降りてしまうなど 降り間違いが多発しそうな気がします。



この 「摩耶駅」 ですが、JR西日本の他の新駅と大きく異なる点がいくつかあります。

まず、設置される場所が 現在の 東灘信号場 であること。
元からJRが所有している広い敷地に 新駅と駅前広場を整備するため、沿線の土地を買収する必要がありません。

次に、この新駅が 地元自治体からの要望ではなく JR西日本自らが望んで設置する ということ。

通常、新駅の建設費は 地元自治体が大半を負担するものですが、摩耶駅は JR西日本が建設費約40億円を全額負担する という異例の対応でした。


そして、「六甲の自然に調和する新しい駅・エコステーション」 というコンセプトの通り、様々なエコメニューが用意されていること。

車がブレーキをかける際に発生する 「回生電力」 を そのまま駅の電力に活用できる 「直流電力変換装置」 がJR西日本で初めて導入され、エレベーターやエスカレーターが その電力を使って動きます。

駅舎の屋根には太陽光発電パネルが設置され、照明は全てLEDを使用。

JR西日本曰く、従来の同規模の駅と比較して、50%以上の消費電力を削減することが可能になる とのことです。



そういえば、摩耶駅の新設が発表された当初、この駅以東で人身事故など何らかの輸送障害が発生した際に 西明石方面へ折り返し運転ができるよう、この駅の神戸側に 上り線→下り線への渡り線を新設するという話が出ていましたが、本当に整備されるのでしょうか?

同様の折り返し設備は 西隣の灘駅に 2012年に整備されており、今回のニュースリリースでは 折り返し設備について一切触れられていないので、少し気になるところです。


ちなみに、灘~摩耶駅間の駅間距離は 900m と かなり短いです。
(それでも、付近にある 阪神本線 岩屋~西灘駅間(600m)より長いんですよね。あと、灘駅より西灘駅の方が東にあるのが不思議。品川駅の南にある北品川駅みたいで)




御着~姫路駅間の新駅の駅名は、なんと 仮称の東姫路 でした!
仮称が正式名称に採用されるとは珍しいですね。

JR西日本は 決定理由について、全国的知名度がある 「姫路駅」 との位置関係を名称とすることで、場所がイメージしやすく、わかりやすい名称であるため としています。


姫路市がJR西日本に報告した駅名募集の結果 では、1位の 「白鷺(しらさぎ、はくろ)」 や10位の 「市川(いちかわ)」 (新駅の東側を流れる河川の名前) をはじめ、「白鷺」 や 「市川」 を使った駅名がトップ10中7つを占めましたが、どれも不採用となりました。

やっぱり、JR西日本で白鷺といったら 金沢~米原・名古屋駅間を結ぶ 特急しらさぎですよね。

市川という駅名は 千葉県市川市のJR東日本・市川駅と被るだけでなく、兵庫県神崎郡市川町の中心駅だと誤解される恐れもありそうです。


個人的には、建設予定地の地名である 「市之郷」 が良かったんですが、駅名募集の結果、「東姫路」 の方が票数が多かったために そちらが正式名称に選ばれたのかなと思いました。

それにしても、「ひがしひめじ」 って 言いにくい名前ですよね・・・。



ちなみに、姫路市は ひめじ別所駅、はりま勝原駅、東姫路駅に続いて、山陽線 姫路~英賀保駅間にも 新駅の設置を検討中だとか。
(神戸新聞NEXTの記事 「新駅計画に調査費2千万円 姫路市15年度 」 を参照)

姫路市は 新駅作るの好きやなぁ・・・。
(それだけ 姫路市内に駅間距離の長い区間が多かったということなんでしょうけど)


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