九州の主な交通系ICカードといえば、JR九州のSUGOCAや 西鉄のnimoca福岡市地下鉄のはやかけんがあります

券売機に並んで切符を買うことなく、タッチするだけで改札を通れるので、電車での移動には絶対欠かせないという方も多いでしょう。

2013年3月23日には、交通系ICカードの全国相互利用サービスが開始され、Suica、PASMO、ICOCA、PiTaPa、Kitaca、TOICA、manacaといった 他の地域のICカードで 九州の多くの鉄道路線を利用できるようになりました。


しかし、九州の全ての鉄道路線が ICカード1枚で乗れるわけではありません。

JR九州では ICカードの使えない駅が 地方を中心に非常に多く、日田彦山線や後藤寺線のように 大都市から比較的近くても使えないことがあるのです。

また、ICカード未導入の中小私鉄が多いほか、独自のICカード以外使えない鉄道会社もあります。


そこで今回、九州でICカードが使えない鉄道路線を 都道府県別にまとめてみました。


※新幹線については、別記事 「新幹線でSuica・ICOCAなどのICカードが使える路線・使えない路線 【まとめ】 」 をご覧ください。

※ケーブルカーについては、別記事 「
<ケーブルカー> Suica・ICOCAなどのICカードが使える路線・使えない路線 【まとめ】 」 をご覧ください。

最新更新日 2022年9月23日
※2024年度から、長崎本線 佐賀~江北(「肥前山口」 から改称)駅間、佐世保線 江北~佐世保駅間、大村線 早岐~ハウステンボス駅間で ICカードが利用可能になる予定です。



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<目次>
【重要】 ICカードでは 「エリア跨ぎ」 ができません
Suica・PASMOのオートチャージについて
福岡県・山口県(下関エリア)
折尾駅での乗り換えについて
佐賀県
唐津線を経由する利用について
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県



【重要】 ICカードでは 「エリア跨ぎ」 ができません

JR九州で ICカードが利用可能なエリアは、「福岡・佐賀・大分・熊本エリア」 「長崎エリア」 「鹿児島エリア」 「宮崎エリア」 「筑肥線・唐津エリア」 の5つに分けられており、それぞれのエリアを跨っての利用はできません。

また、SUOGAエリアと JR西日本のICOCAエリアとを跨っての利用もできません。

ICカードでエリアを跨って利用しようとすると、下車駅で現金で全額精算することになります。
※「筑肥線・唐津エリア」 という表現は このブログ独自のものです。


例えば、以下のような利用ができません。

①広島駅や宮島口駅、岩国駅からICカードで乗車し、下関駅や門司駅、小倉駅でICカードで下車すること。
※下関駅はJR西日本の駅ですが、ICOCAエリアではなく SUGOCAエリアとなっています。
SUGOCAエリアとICOCAエリア


②唐津駅からICカードで乗車し、佐賀駅や鳥栖駅でICカードで下車すること。
※筑肥線・唐津エリアと 「はやかけん」 エリア(地下鉄) を跨いでの利用は可能です。

唐津線


③博多駅や鳥栖駅、佐賀駅からICカードで乗車し、諫早駅や長崎駅でICカードで下車すること。
長崎エリア
※上の図の 「肥前山口駅」 は、2022年9月23日から 「江北駅」 に駅名が変わりました。

④大分駅からICカードで乗車し、宮崎駅でICカードで下車すること。
大分~宮崎



⑤宮崎駅からICカードで乗車し、鹿児島中央駅でICカードで下車すること。
宮崎~鹿児島中央


⑥鹿児島中央駅からICカードで乗車し、肥薩線 もしくは 肥薩おれんじ鉄道を経由して、八代駅や熊本駅でICカードで下車すること。

鹿児島中央~熊本

※エリアを跨ぐ場合は、乗車する駅で切符を購入してください。



【Suica・PASMOのオートチャージについて】

九州では、ICカードが使えるエリアであっても、Suica・PASMOのオートチャージは行われません。

オートチャージが可能なエリアは、Suicaの首都圏エリア・仙台エリア・新潟エリアと、PASMOエリア(首都圏の私鉄・地下鉄)のみです。




福岡県・山口県(下関エリア)

【JR九州・JR西日本】

日田彦山線
※添田~夜明駅間は 九州北部豪雨(2017年)の影響で運転休止中。
後藤寺線
筑豊本線(原田線)
桂川~原田駅間
久大本線(ゆふ高原線) 善導寺~向之原駅間(うきは駅・日田駅・由布院駅など)
山陽本線 下関~宇部・新山口・徳山方面
山陰本線
博多南線



【折尾駅での乗り換えについて】

折尾駅で 鹿児島本線・若松線と 福北ゆたか線を乗り換える時は要注意!

福北ゆたか線は、折尾駅始発・終着の列車が1・2番のりばから黒崎・小倉方面発着の列車が6・7番のりばから発車しますが、
1~5番のりばと6・7番のりばとで 駅舎が別々になっているため、乗り換えるには一旦改札を出なければなりません。

その際、自動改札機にICカードをタッチしないでください。

タッチしてしまうと、折尾駅で一旦精算し 運賃を打ち切られることになり、実際の運賃より高くなることがあります。



平成筑豊鉄道
甘木鉄道



佐賀県

【JR九州】
長崎本線
佐賀~江北・肥前鹿島・諫早・長崎方面
佐世保線
筑肥線 唐津~山本~伊万里駅間
唐津線 佐賀~久保田~唐津駅間(佐賀→小城・多久・唐津方面、唐津→佐賀方面)

※江北駅は、旧・肥前山口駅です。2022年9月23日に 駅名が改称されました。
※佐世保線 および 長崎本線 佐賀~江北駅間では、2024年度からICカードが利用可能になる予定です。


【唐津線を経由する利用について】

筑肥線 姪浜~唐津駅間と 唐津線 唐津~西唐津駅間は、福岡市地下鉄空港線( 「はやかけん」 エリア)に乗り入れる都合上、SUGOCAの福岡・佐賀・大分・熊本エリアとは独立したエリアになっています。

そのため、
佐賀駅からICカードで乗車して、唐津駅でICカードで下車するなど、唐津線経由でICカードを利用することはできません。


甘木鉄道

※松浦鉄道は、2020年3月から nimocaやSuicaなどの全国相互利用カードが使えるようになりました。
(これまで使われていた 長崎スマートカードを nimocaへ切り替え)



長崎県

【JR九州】
長崎本線
諫早~湯江・肥前鹿島・江北・佐賀方面
大村線 竹松~ハウステンボス・早岐・佐世保方面
佐世保線
※佐世保駅・ハウステンボス駅では ICカードが使えません。
※佐世保線 および 大村線 早岐~ハウステンボス駅間では、2024年度からICカードが利用可能になる予定です。
(ただし、諫早・長崎方面への利用は不可)



島原鉄道

※長崎電気軌道(路面電車)と松浦鉄道は、2020年3月から nimocaやSuicaなどの全国相互利用カードが使えるようになりました。
(これまで使われていた 長崎スマートカードを nimocaへ切り替え)



熊本県

【JR九州】
豊肥本線(阿蘇高原線) 肥後大津~中判田駅間(立野駅・阿蘇駅・宮地駅など)
三角線(あまくさみすみ線)
肥薩線
※2020年7月の豪雨の影響で運転見合わせ中。運転再開の見込みは立っていません。
八代~人吉駅間では鉄橋が流出しており、復旧が決まったとしても運転再開まで相当な期間を要することが予想されます。


肥薩おれんじ鉄道
南阿蘇鉄道
 ※立野~中松駅間は 熊本地震の影響で運転見合わせ中。(2023年夏に運転再開予定)
くま川鉄道
※人吉温泉~肥後西村駅間は、2020年7月の豪雨の影響で運転見合わせ中。
一部区間で鉄橋が流出しており、2025年度中の全線復旧を目指しています。




大分県

【JR九州】

日豊本線 幸崎~臼杵・佐伯・延岡・宮崎方面
久大本線(ゆふ高原線)
向之原~善導寺駅間(由布院駅・日田駅・うきは駅など)
※庄内~由布院~豊後森駅間は、2020年7月豪雨の影響で運転見合わせていましたが、庄内~由布院駅間は2021年2月13日から、由布院~豊後森駅間は2021年3月1日から運転を再開しました。
豊肥本線(阿蘇高原線) 中判田~肥後大津駅間(豊後竹田駅・宮地駅・阿蘇駅など)
日田彦山線
※添田~夜明駅間は 九州北部豪雨(2017年)の影響で運転見合わせ中。
(沿線自治体は鉄道での復旧を断念しBRTによる復旧を容認)





宮崎県

【JR九州】

日豊本線 佐土原~日向市・延岡・大分方面田野~都城・国分・鹿児島中央方面
日南線 田吉~日南・志布志方面
吉都線(えびの高原線)
肥薩線
※宮崎県では、2015年11月14日から、日豊本線 佐土原~宮崎~田野駅間と 日南線 南宮崎~田吉駅間、宮崎空港線で ICカードが利用できるようになりました。





鹿児島県

【JR九州】

日豊本線 国分~都城・宮崎方面 ※竜ケ水駅はICカード利用不可
指宿枕崎線 喜入~指宿・枕崎方面
肥薩線
吉都線(えびの高原線)
日南線

鹿児島市電 ※RapiCa(ラピカ)、いわさきICカードのみ利用可能
肥薩おれんじ鉄道




沖縄県

なし
※ゆいレールは、かつて OKICA(オキカ)のみ利用可能でしたが、2020年3月10日からSuicaやICOCAなどの全国相互利用カードも使えるようになりました。



●日田彦山線、後藤寺線、筑豊本線(原田線)、桂川~原田駅間、久大本線 善導寺~向之原駅間、豊肥本線 肥後大津~中判田駅間は SUCOCAエリアに入っていませんが、これらの路線を通過して SUGOCAエリアの駅をICカードで乗り降りすることは可能です。

例えば、以下のようなことができます。

・熊本駅からICカードで乗車し、豊肥本線を経由して 大分駅でICカードで下車すること。
・新飯塚駅からICカードで乗車し、原田線を経由して 鳥栖駅や久留米駅でICカードで下車すること。
・新飯塚駅からICカードで乗車し、後藤寺線・日田彦山線・久大本線を経由して久留米駅や大分駅でICカードで下車すること。
※先ほども書きましたが、2019年現在、日田彦山線 添田~夜明駅間、豊肥本線 肥後大津~阿蘇駅間は運転見合わせ中です。


●北九州モノレールでは、2015年10月1日に 「mono SUGOCA」(ものすごか)が導入され、SUGOCA・nimoca・Suica・PASMO・ICOCAなどの全国相互利用カードが利用可能になりました。

また、以前 熊本電気鉄道では、
熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)しか使えませんでしたが、2016年3月23日から全国相互利用カードも利用可能になりました。



※ICカードが使えないJRの駅について もっと具体的に知りたい方は、サブブログ 「JRの駅でICカードが使えるか使えないか分かるブログ 」をご覧ください。


【ICカードが使えない鉄道路線(地方別)】
北海道
東北地方
関東(首都圏)
新潟県
長野県・山梨県
東海地方(岐阜・愛知・三重・静岡)
北陸(富山・石川・福井)
関西
中国・四国地方

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