※写真は金沢駅で撮影した普通 大聖寺行き(521系)。
JR西日本は、これまで 近畿エリアと岡山・広島エリアにおいてICOCAを導入しましたが、北陸エリアでのICOCA導入は全く行われず、福井県・石川県・富山県のJRの全路線・全駅でICカードが使えない状態です。
北陸新幹線の開業後、JR西日本から経営移管された あいの風とやま鉄道(旧・北陸本線 富山県区間)がICOCAを導入しましたが、同じく経営移管されたIRいしかわ鉄道(旧・北陸本線 石川県区間)やJR西日本は ICOCAの導入を見送ったため、富山県内の駅からICカードで乗車した利用客が、石川県内の駅でICカードで下車できないという不便な状況が続いています。
そんな中、JR西日本は昨年(2015年)4月に、北陸エリアでのICOCA導入を検討していると公表していましたが
(過去記事 「【JR西日本】 ICOCAエリアのさらなる拡大を検討へ!北陸での導入も視野に! 」 参照)、2016年2月16日、JR西日本は 公式ホームページで、金沢地区・新高岡にICOCAを導入する と発表しました。
【JR西日本 ニュースリリース】
ICカード乗車券 「ICOCA」 のエリアを拡大します ~金沢地区・新高岡へのICOCA導入~
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今回新たにICOCAが導入されるのは、北陸本線 金沢~大聖寺駅間(石川県内の全駅)と、城端線の新高岡駅。
JR西日本曰く、「これにより、北陸地区でICOCAを利用できる他会社の駅との相互間においても ICOCAが使えるようになる」 とのこと。
北國新聞の報道 によると、IRいしかわ鉄道も JRと同時にICOCAを導入するそうです。
ICOCAのほか、SuicaやPASMO、PiTaPa、Kitaca、TOICA、manaca、SUGOCA、nimoca、はやかけん といった全国相互利用カードが利用できるようになります。
サービス開始時期は 2017年4月末の予定。 つまり、1年後 です。
今年春の加古川線・播但線・姫新線の一部区間へのICOCA導入が3月のダイヤ改正と同じ日なのに対し、北陸エリアへの導入が4月末と 1ヶ月遅くなっているのは、おそらく 来年4月に予定されている消費税増税のためではないかと思います。
※2016年6月29日追記※
消費税増税は延期されました。
※2017年2月1日追記※
サービス開始日が 2017年4月15日(土)に決定しました。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。
北陸本線 金沢~大聖寺駅間、新高岡駅と IRいしかわ鉄道、2017年4月15日(土)からICOCAが利用可能に!
やっと北陸のJRで(一部の区間ですが)ICカードが使えるようになるんですね!
これまでは、IRいしかわ鉄道がICOCA導入を見送るなど、三セクとの兼ね合いもあって ICOCAを導入しなかったのだと思いますが、北陸新幹線の開業で首都圏から多くの観光客が押し寄せてくることは予想できたはずです。
ICOCA導入が新幹線開業の2年後では、やはり遅すぎると言わざるを得ません。
今回のICOCA導入も、あいの風とやま鉄道がICOCAを導入したことにより 富山県と石川県を跨ってICカードが使えないという状況に陥ったため、JR西日本とIRいしかわ鉄道が ようやく重い腰を上げたわけです。
もし、あいの風とやま鉄道がICOCAを導入していなかったら、北陸はこの先ずっと、全国相互利用カードが使えないままだったかもしれませんね。
金沢駅は2016年2月現在、在来線の改札口が有人改札となっていますが、ICOCA導入で 一般型の自動改札機が設置されるのは間違いないでしょう。特急停車駅である小松駅や松任駅も、1日の平均乗車人員が3000人を超えているので、一般型の自動改札機が設置される可能性があります。
城端線は、北陸新幹線の開業後、高岡市の中心駅である高岡駅と、遠距離からの玄関口である新高岡駅をつなぐ役割も果たすようになりました。
城端線全線へのICOCA導入は まだまだ先になりそうですが、高岡駅⇔新高岡駅の移動にICカードが使えるようになる。これだけでも大きな進歩です。
北陸エリアへのICOCA導入は朗報ではありますが、個人的に、今回の導入範囲を見て、ちょっとがっかりしてしまいました。
七尾線 が入らなかったのは予想通りですし、利用客の多い北陸本線が優先されるので仕方ないですが、問題は その北陸本線です。
北陸エリアにICOCAを導入するなら、近江塩津から金沢まで一気に入れると思ったんですが、今回導入されるのは 金沢~大聖寺という石川県区間だけで、福井県区間は蚊帳の外。
おそらく、段階的にICOCAエリアを拡大していくと思いますが、今すぐにでも導入してほしいのに、福井県区間への導入は早くても2年後になりそうだなんて、遅すぎにも程があります。
やはり、ICカードを導入するのは 思った以上に難しいことなんでしょうね・・・。
それと、福井県区間へのICOCA導入が見送られたということは、ICOCAの近畿エリアと北陸エリアがつながっておらず、それぞれ独立した状態なので、近畿エリア⇔岡山エリアと同様、「エリア跨ぎ」 ができない可能性が高い です。
「サンダーバード」 や 「しらさぎ」 といった特急列車に乗って 北陸⇔関西を移動する利用客が非常に多いというのに、これでは、金沢駅からICカードで乗車しても、大阪駅など関西の駅でICカードで下車できず、ICカードの利便性が半減してしまいます。
もし、北陸本線の福井県区間にICOCAを導入することになれば、こうした 「エリア跨ぎ問題」 は解決できるのでしょうか?
近江塩津~敦賀駅間がICカードの空白地帯になって、近江塩津駅以南の近畿エリアと敦賀駅以北の北陸エリアを跨いでの利用ができないなんてことになったら、利用客から大ブーイングを浴びること間違いなしです。
新快速と普通電車で 近畿エリアと北陸エリアを跨いで移動する利用客のために、敦賀駅の4番のりばに中間改札を設置する なんてこともありそうな気がします。
(そうなると、敦賀駅で一旦精算し 運賃が打ち切られるので、ICカードだと実際の運賃よりも高くなるかもしれませんね)
今後が気になるところです。
※2017年10月21日追記※
北陸本線 近江塩津~福井~大聖寺駅間へのICOCA導入が決定しました。
これに合わせて、ICOCAの近畿エリアと北陸エリアが一体化され、関西⇔北陸を ICカードで跨いで利用できるようになります。
ただし、大阪近郊区間内と 北陸本線の特急停車駅以外は ICカードでの乗車距離が営業キロ200km以内に制限されるほか、関西・福井県⇔金沢駅以東(IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道・新高岡駅)を移動する場合は
ICカードが使えません。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。
【JR西日本】 ICOCAエリアがついに一体化! 「エリア跨ぎ」 が可能に! <2018年夏から>
北陸本線の福井県区間のほか、IRいしかわ鉄道や あいの風とやま鉄道に接続する七尾線・氷見線・城端線(新高岡駅以南)・高山本線(特に富山~越中八尾駅間)でのICOCA導入もできるだけ早くやってほしいですね。
過去記事 でも書きましたが、2008年3月に おおさか東線 久宝寺~放出駅間が開業してから昨年8月に きのくに線 和歌山~海南駅間にICOCAを導入するまでの7年間、JR西日本は 自社の路線のICOCAエリア拡大に 余りにも消極的すぎました。
北陸の他にも、JR西日本では 北近畿地区や和歌山地区、山陰地区、山口地区のほとんどの駅でICカードが使えない状態ですが、金沢地区ですら1年後、福井はもっと後だというのに、
これらの地区へのICOCA導入は、一体何年先になるでしょうかね・・・