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※紀伊田辺駅に停車中の特急 「くろしお」(283系 オーシャンアロー車両)。

※ICOCA導入駅では、ICOCAの他、Suica・PASMO・PiTaPa・Kitaca・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけん といった 全国相互利用カードが利用可能です。
(以下、「ICカード」 と言えば これらのカードのことを指します)


2016年8月現在、和歌山県には JRの駅が80 (ここでは和歌山市駅を紀勢線の駅としてカウント)ありますが、このうち ICカードの使える駅は、1年ほど前まで 阪和線の4駅(紀伊・六十谷・紀伊中ノ島・和歌山)だけだったんですよね。

2015年8月30日に、きのくに線の宮前~海南駅間の各駅(計4駅)にICOCAが導入されたわけですが、それでも 和歌山県のJR全体の10分の1(8駅)に留まっています。

次は、和歌山県内のどの線区に、いつICOCAが導入されるのか 気になっていたところ、2016年8月9日、JR西日本は公式ホームページで、きのくに線でのICOCA導入駅拡大について発表しました。


【JR西日本 ニュースリリース】
和歌山県内の特急 「くろしお 」号停車駅で、ICOCAがご利用できるようになります!



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先日、草津線 貴生川駅以東へのICOCA導入 についての発表があったばかりですが、それからわずか8日後に またICOCA導入の発表が出るとは驚きです。


きのくに線 特急停車駅 ICOCA導入(JR西日本 ニュースリリースより)
※上の図はJR西日本 ニュースリリースより引用。 上下反転した路線図に違和感・・・


今回、新たにICOCAが導入されるのは、海南駅から先の特急 「くろしお」 停車駅
※箕島・藤並・湯浅・御坊・南部・紀伊田辺・白浜・周参見・串本・古座・太地・紀伊勝浦・新宮(計13駅)

ICOCAを乗車券として使用し 特急券と合わせて利用することで、「くろしお」 に乗ることができます。

これまでのICOCAエリア拡大と違って、どこからどこまでの各駅といった線区単位ではなく、特急停車駅に限ってのICOCA導入です。
そのため、今回のICOCA導入後も 海南~新宮駅間の特急通過駅は これまで通り ICカードが使えません

また、これらの13駅は ICOCA定期券の設定がないとのことで、おそらく、和歌山~箕島、海南~御坊、紀伊勝浦~新宮といったICOCA定期券は 13駅以外のICOCA導入駅(和歌山駅など)でも購入できないと思われます。


JR西日本は、2015年4月に 公式ホームページで発表した「JR西日本グループ中期経営計画2017 進捗状況と今後の重点取り組み(アップデート)」 の中で、

『ICOCAエリアのさらなる拡大(加古川線、姫新線、播但線等)
~地域と共に西日本エリアにおけるICネットワーク拡大を検討
(北陸、特急停車駅、近畿エリア周辺への拡大、IC車載器導入の検討等)
ICOCAによるご利用に応じた新たな近距離利用促進サービス導入の検討』

を今後の重点取り組みの1つとして挙げていました。
(過去記事 「【JR西日本】 ICOCAエリアのさらなる拡大を検討へ!」 参照)

今回実施されるのは、そのうちの特急停車駅への拡大
JR東日本が2014年に新設した 『Suica一部対応駅 』 のJR西日本(ICOCA)版と言えるでしょう。

Suica一部対応駅の場合、通常のSuica対応駅と違ってSuicaやSuica定期券の発売はしません。
今回 ICOCAが導入される 「くろしお」 停車駅も、これまでのICOCA導入駅と違って、ICOCA定期券の設定はありませんが、和歌山放送 の記事によると、Suica一部対応駅と異なり、古座駅・太地駅を除く11駅では ICOCAを発売するようです。


てっきり、まず海南から先の冷水浦~御坊駅間の各駅にICOCAを導入してから 御坊~新宮駅間の特急停車駅に導入すると思っていたので、いきなり新宮駅までの特急停車駅に導入するとは驚きました。

ICカードで 「くろしお」 に乗って 紀伊田辺や白浜、新宮まで行く観光客が多く、一刻も早く ICOCAを導入する必要があったのだろうと思います。

ICカードで乗車すれば、乗車区間が長ければ長いほど、降りる駅でICカードが使えなかった時に 現金で精算する額が増えます。

特に、新大阪駅からICカードで 「くろしお」 に乗り、新宮駅まで行った場合は、乗車券4750円、特急券1940円を車内で購入する場合は計6690円を現金払いすることになるのです。

そのため、財布の中のお金が残り少なくなって、帰りの電車代が買えなくなるピンチに陥る人もいたのではないかと思います。


サービス開始時期は、2016年12月の予定。
※2016年10月22日追記※
サービス開始日が 2016年12月17日(土)に決まったと発表されました。
詳しくは、こちらの別記事 を参照。


草津線 貴生川駅以東のICOCA導入が2018年春なので、海南駅から先のICOCA導入は 早くても再来年以降になるのではないかと思っていましたが、まさかの今年中ですか!
草津線どころか、北陸本線 石川県区間(2017年4月末)よりも早いとは驚きです。


今回のICOCA導入により、和歌山県のJRのICOCA導入駅は、現在の8駅から13駅増えて21駅となり、全体の4分の1を超えます。

和歌山県でのICOCAエリア拡大は、これで終わらないでしょう。

次は、きのくに線 海南~御坊(もしくは紀伊田辺)駅間の特急通過駅か、和歌山線か、それとも 紀勢線の和歌山~和歌山市駅間か・・・

和歌山線の場合、高田~和歌山駅間の途中駅 計29駅へ一気に導入するのは難しいと思うので、和歌山~粉河(もしくは橋本)駅間の各駅に先行導入するか、高田~和歌山駅間の主要駅に先行導入するかのどちらかになるのではないかと思っています。

※2017年10月10日追記※
和歌山線 高田~五条駅間へのICOCA導入が発表されました。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。

【JR西日本】 和歌山線 高田~五条駅間にICOCAを導入へ!
和歌山駅に中間改札を設置! 2018年春に実施!


※2018年3月14日追記※
和歌山線 五条~和歌山駅間へのICOCA導入が発表されました。
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。

【JR西日本】 和歌山線 五条~和歌山駅間にICOCAを導入へ!
新型車両 「227系」 に車載型IC改札機を設置! <2020年春>



そして、今回のような 「特急停車駅に限定したICOCA導入」 は 今後 JR西日本の他のエリアでも行われるでしょう。
特に、北近畿地区では 来年~再来年辺りに 間違いなく行われると思います。
城崎温泉駅どころか、浜坂駅までが ICOCA導入駅になるかもしれませんね。

近畿や北陸だけでなく、中国地方でのICOCAエリア拡大にも期待したいところです。

※2016年8月29日追記※
今回の発表から2週間後の8月24日、中国地方でのICOCAエリア拡大が発表されました。
その第1弾は、なんと 「ICカード空白県」 だった鳥取県・島根県です!
詳しくは、以下の別記事をご覧ください。
【JR西日本】 山陰エリアにICOCAを導入へ!
山陰線 出雲市~伯耆大山駅間と 伯備線の特急 「やくも」 停車駅で
2016年12月から利用可能に!


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