2017年3月4日(土)に行われるダイヤ改正。
先日書いた記事 では、近畿エリアのダイヤ改正を取り上げましたが、今回は広島エリア 在来線のダイヤ改正について書きたいと思います。

【JR西日本 ニュースリリース】
平成29年春ダイヤ改正について ダイヤ改正日:平成29年3月4日(土曜日)


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【可部線】 可部~あき亀山駅間が延伸開業

可部~あき亀山駅間が延伸し、あき亀山駅 河戸帆待川(こうど ほまちがわ)が開業。
広島駅までの所要時間(最速)は、あき亀山駅から38分、河戸帆待川駅からは36分。


あき亀山駅・河戸帆待川駅の停車本数は、平日・土休日共に 広島方面が49本、あき亀山方面が50本。(現在の可部駅の停車本数と同じ)

※「安芸亀山駅」 ではなく 「あき亀山駅」 となっているのは、かつて あき亀山駅から5km離れたところに 可部線の安芸亀山駅(2003年12月に廃止)が存在しており、その区別のためと言われています。



【山陽線】 寺家(じけ)駅が開業

山陽線 西条~八本松駅間に寺家駅が開業。普通電車のみが停車。
広島駅までの所要時間(最速)は34分。
停車本数は、広島方面が71本(土休日は67本)、西条方面が75本(土休日は70本)。



【芸備線】 土休日に快速・普通列車を増発など

①土休日、
広島駅に10・13時台に到着する快速 「みよしライナー」 を2本増発


現行 狩留家駅始発となっている列車を三次駅始発に変更することや、普通列車を快速列車に変更することで、
広島駅に10時台・13時台に到着する快速 「みよしライナー」 を2本増発
※三次8:55発 広島10:14着、三次12:13発 広島13:33着

三次~広島駅間の所要時間は1時間19~20分で、同じ時間帯に運転している現行の普通列車と比べ35~28分の短縮となる。

また、利用客の多い三次8:11発(現在は三次8:07発)の快速の編成両数を 2両から3両に増強する。


②土休日、広島駅を17・19時台に発車する快速 「みよしライナー」 を増発

現行、広島17:00発・19:00発の三次行きを 普通列車から快速に変更することで、広島駅を17時台・19時台に発車する快速 「みよしライナー」 を増発。

広島~三次駅間の所要時間は、現行の普通列車に比べ15~25分短縮される。

また、現行 狩留家行きとなっている広島17:20発・19:20発を三次行きに延長。
(発車時刻が5分繰り下がって、広島17:25発・19:25発となる)

これにより、16~19時台は 1時間に快速1本、普通 三次行き1本、下深川行き1本の運転となる。

※16~19時台の快速 「みよしライナー」・普通列車の発車時刻が5分繰り下がり、広島駅を快速が毎時5分、普通 三次行きが毎時25分、下深川行きが45分に発車するダイヤとなる。
※広島20:00発の快速 「みよしライナー」 は普通列車(広島20:07発)に格下げされる。



③土休日、下深川~広島駅間で午前中に普通列車を増発

下深川~広島駅間で、土休日の午前中に普通列車を1往復増発。
これにより、1時間あたりの運転本数が3本の時間帯が1時間拡大する。(9・10時台→9~11時台)


④平日 朝晩の普通列車2本を延長運転

平日の朝晩、一部の普通列車の運転区間を狩留家~広島駅間から三次~広島駅間に拡大。

※狩留家7:24発 広島8:02着→三次6:19発に変更。
※広島19:20発 狩留家行き→広島19:25発 三次行きに変更。



⑤芸備線 備後庄原方面から快速 「みよしライナー」 への接続を改善 (平日・土休日共に)

現行、接続できていない三次発 広島行きの快速列車の時刻を変更し、備後庄原10:00発(改正後は9:53発)の普通列車から三次駅で乗り換え可能とすることで、備後庄原方面から広島方面への所要時間を短縮。

【現行】 備後庄原10:00発 三次10:32着→三次11:14発(普通列車) 広島12:59着
※三次10:03発の快速 「みよしライナー」 に接続できず。

【改正】 備後庄原9:53発 三次10:26着→三次10:30発(快速) 広島11:59着
※三次駅での乗り換え時間が42分→4分に短縮。
※備後庄原~広島駅までの所要時間が2時間59分→2時間6分と、53分短縮。



⑥運転取り止め・運転区間短縮など

利用状況に合わせ、一部の列車の運転取り止めや運転区間の変更を行う。


★運転を取りやめる列車★

【平日】
狩留家20:30発 広島行き

【土休日】
下深川16:06発、狩留家18:08発、下深川22:12発(いずれも広島行き)
広島8:38発、広島15:40発、広島21:40発(いずれも下深川行き)
備後庄原19:14発 三次行き、三次16:27発 備後庄原行き



★始発駅・終着駅が変更となる列車★

【平日】

三次12:03発 狩留家行き→志和口始発に変更
狩留家12:43発 三次行き→志和口行きに変更
※いずれも、三次~志和口駅間の運転を取り止め

【土休日】
狩留家6:44発 広島行き→下深川始発に変更
狩留家20:30発 広島行き→下深川始発に変更
広島5:57発 狩留家行き→下深川行きに変更
※いずれも、狩留家~下深川駅間の運転を取り止め
広島20:20発 三次行き→下深川行きに変更   ※三次~下深川駅間の運転を取り止め


●今回のダイヤ改正で、三次~広島駅間では 平日と土休日で異なるダイヤとなる。



【呉線】 平日も夕方のダイヤをリニューアル。

① 「通勤ライナー」 を 「安芸路ライナー」 に変更・増発し、
概ねパターン化されたダイヤに。


平日、広島駅を16時以降に発車する呉方面行きの快速 「通勤ライナー」 を 全て 「安芸路ライナー」 に変更。
これにより、平日・土休日ともに9時以降に広島駅・広駅を発車する全ての快速が 「安芸路ライナー」となり、快速の停車駅が統一される。

また、広島駅発15~20時台は1時間あたり快速 「安芸路ライナー」 2本、普通電車2~4本とし、発車時刻を概ね統一することで、よりわかりやすくなる。

※15~19時台は、快速は広島駅を毎時0分・30分、普通は毎時10分・40分に発車(19時台の普通は10分・45分発)。
17~19時台には 普通 「坂行き」 も運転。(17:20発・17:50発・18:20発・18:50発・19:20発)


これにより、16・17・19時台の快速の本数が毎時1本→2本に増える。

さらに、21時台に新たに快速を1本増発し、快速の運転時間帯を9~20時台から9~21時台に拡大する。

なお、快速が通過する駅では停車本数が減少する駅がある。


②安浦・竹原方面への直通列車が増加

広島駅発16~20時台に、広島・呉方面から安浦・竹原方面に直通する列車を全て快速 「安芸路ライナー」 に統一し、直通する列車の本数も増加する。
(現行 快速6本、普通2本→改正後 快速9本)

③朝の通勤時間帯、広駅で一部の列車が乗り換えに

朝の通勤時間帯、竹原・安浦方面から広方面の一部の列車において、広島方面への直通運転を取り止め、広駅で同一ホームでの乗換となる。

安浦5:28発 由宇行き(土休日は岩国行き)→安浦5:24発 広行きに変更
竹原5:23発 梅林行き(広~広島駅間は通勤ライナー)→竹原5:22発 広行きに変更
安浦6:35発 岩国行き(土休日は広島行き)→安浦6:34発 広行きに変更

なお、これに合わせて、同じ時間帯の安浦・竹原方面への列車も広駅で乗り換えとなる。


④運転取り止め・運転区間変更

【平日】

安浦19:15発 広行き、広18:41発 安浦行き ※運転取り止め
広20:22発 広島行き→坂始発に変更  ※広~坂駅間運転取り止め
広島18:57発 広行き→坂行きに変更 ※坂~広駅間運転取り止め




【岩徳線】 朝に列車を増発&一部列車の運転取り止め

朝の通勤・通学時間帯に、岩国駅・徳山駅にそれぞれ8時頃に到着する列車を増発。
また、利用が少ない午前中の一部の列車や土曜日の早朝の列車の運転を取り止める。


【増発】
岩国6:38発 徳山8:00着、徳山6:20発 岩国7:52着

【運転取り止め】 岩国9:43発 徳山行き、徳山9:52発 岩国行き
※早朝の周防高森5:53発 岩国行きが休日運休から土休日運休に変更される。

今回の運転取り止めにより、徳山行きは、岩国8:16発の次が11:47発と、運転間隔が3時間40分も開き、岩国行きは、徳山7:50発の次が11:47発と、4時間近く列車が運転されない時間帯ができる。


【その他】

●山陽線の西条方面行きの最終列車
(広島0:10発)の時刻が3分程度繰り上がるのをはじめ、一部の線区で始発・最終列車の時刻が変更される列車がある。

●土休日の山陽線の広島地区で、一部の時間帯に列車を増発する。
また、利用状況に合わせて、一部列車の運転区間を変更する。

●一部 編成両数が変更される列車がある。


今回のダイヤ改正の最大の目玉は、何といっても可部線 可部~あき亀山駅間の延伸開業
2003年12月に 可部~三段峡駅間が廃止されてから、実に13年。
全国で初となる 廃止されたJR路線の一部復活ですから、感慨深いものがありますね。

廃止区間は非電化だったので、可部駅以南と異なり 気動車で運転されていたのですが、可部~あき亀山駅間は電化した上での復活となるため、新型車両の227系をはじめとした 「電車」 が乗り入れてくることになります。

廃止区間のうち、可部駅から隣の河戸駅の少し先までは住宅地が広がっており、廃止前から 可部~河戸駅間の電化を求める運動が地元住民によって行われていました。
今回、そんな長年の願いが 廃止区間の一部復活&新駅設置という形で実現したのです。

個人的には、一度廃止して その後復活させるより、可部~河戸駅間だけでも存続させておいた方が良かったのではないかと思うのですが、もし存続していたら、「河戸駅を廃止して 河戸帆待川駅と あき亀山駅を設置する
という発想には至らなかっただろうなとも思います。

路地裏のような場所にあった河戸駅よりは、通りに面した河戸帆待川駅や広い駅前広場がある あき亀山駅の方が絶対良いので、複雑な気持ちです。

それと、もし"河戸駅までは存続で そこから先は廃止" ということになれば、「河戸駅だけ存続するのはずるい!」 と 河戸駅以北の利用者や沿線自治体が猛反発したでしょう。

可部駅以北の全区間の存続を求めた結果、電化延伸の要望があった区間も含め 全区間が廃止される というのは皮肉なものですね。


延伸開業に伴い、可部線で大規模なダイヤ改正が行われるのかと思いきや、ニュースリリースに 可部線の電車の増発・減便や時刻変更についての記述が一切なく、驚きました。

あき亀山駅・河戸帆待川駅の停車本数が 平日・土休日共に 現在の可部駅と同じということで、現在 可部駅始発・終着になっている電車が そのまま あき亀山駅始発・終着になるだけなのかなと思います。



そして、そんな可部線よりも ニュースリリースに多く書かれていたのが 芸備線

正直、可部線が延伸するこの改正で 快速 「みよしライナー」 の増発や備後庄原方面からの接続改善、土休日ダイヤが平日とは異なるものになるなど、芸備線のダイヤがテコ入れされるとは思いもしませんでした。



呉線では、前回のダイヤ改正で 土休日の夕方以降のダイヤがリニューアル。

「通勤ライナー」 が全て 「安芸路ライナー」 に変更され、概ねパターン化されたダイヤになりましたが、今回のダイヤ改正で 平日の夕方以降も 同じようにリニューアルされます。

土休日と異なるのは、17~19時台に 普通 「坂行き」 が運転されること。
広島駅で 安芸路ライナーの10分前に 坂行きが発車するダイヤになっており、安芸路ライナーの混雑を緩和する狙いがあるのかなと思いました。
また、21時台に安芸路ライナーが運転されるのも、土休日と異なるところです。


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