ICOCA 石川・富山エリア

ICOCA 近畿圏エリア (2017年)

中国・四国地方のICOCAエリア

※上の図は 2017年10月現在のICOCAエリア。
※ICOCAエリアでは、ICOCAの他、Suica・PASMO・PiTaPa・Kitaca・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけん といった全国相互利用カードが利用可能です。
(以下、「ICカード」 は これら10種類のカードのことを指します)



2017年現在、JR西日本のICOCAエリアは、 「石川・富山エリア近畿圏エリア」 「岡山・広島・山陰・香川エリアの3つに分かれています。

ICカードが使えるのは それぞれのエリア内での移動に限られているので、岡山⇔姫路 や 京都⇔金沢 というように 2つのエリアを跨ぐ場合は ICカードを使うことができず、降りる駅で現金で全額精算しなければならなかったり、乗車する駅で切符を購入しなければならなかったりと、不便な状況が続いているんですよね。

そんな中、先日(2017年10月18日)、JR西日本から衝撃的な発表がありました。
なんと、来年の夏から 「エリア跨ぎ」 ができるようになる というのです!!!



【JR西日本 ニュースリリース】
ICOCAのご利用エリアが大きく広がります!
10月定例社長会見


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ICOCAエリア一体化
※図はJR西日本 ニュースリリース(10月定例社長会見)より引用。


今回の発表によると、来年の夏、既にICOCA導入が発表されている 北陸本線の福井県区間に加え、山陽本線 相生~和気駅間赤穂線 播州赤穂~長船駅間にもICOCAが導入されます。

こうして 3つのエリアがつながるのに合わせて ICOCAエリアが一体化され、岡山⇔姫路 や 京都⇔金沢といった 「エリア跨ぎ」 が可能になるのです。


利用区間に IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道が含まれる場合、利用可能区間は 現状通り 大聖寺~越中宮崎駅間、高岡~新高岡駅間となります。

例えば、関西や福井県の駅からICカードで乗車し、富山方面へ向かう場合、ICカードが使えるのは金沢駅までです。(IRいしかわ鉄道の駅や 富山県の駅では ICカードで下車できません)

逆に、富山県の駅や IRいしかわ鉄道の駅からICカードで乗車し、福井方面へ向かう場合、ICカードが使えるのは大聖寺駅までです。
(福井県や関西の駅では ICカードで下車できません)



これに先駆けて、来年春から ICOCAエリア内でICカードの使える区間が営業キロ200km以内に制限されます
※2018年1月22日追記※
営業キロ200km制限の開始日が、2018年3月17日(土)に決まりました。


例えば、岡山⇔大阪は乗車距離が173.3kmのため ICカードが使えますが、岡山⇔京都だと216.1kmとなり、ICカードは使えなくなります。
※東岡山~相生駅間は 赤穂線経由の方が山陽本線 和気駅経由よりも3.2km短いので、ここでは 和気駅・上郡駅を除いて 赤穂線経由での距離を書きます。

岡山駅から関西へ向かう場合、ICカードが使えるのは、
JR京都線 高槻駅の隣の島本駅まで(199.8km)、
JR宝塚線 三田駅まで(199.3km)、
学研都市線 河内磐船駅まで(197.3km)、
大和路線 柏原(かしわら)駅の隣の高井田駅まで(197.8km)、
阪和線 鳳駅まで(199.1km)となるでしょう。

倉敷駅から関西へ向かう場合、ICカードが使えるのは、
JR京都線 吹田駅の隣の岸辺駅まで(199.2km)、
JR宝塚線 宝塚駅まで(199km)、
大阪環状線 天王寺駅まで(鶴橋駅経由で199.9km)
学研都市線 放出(はなてん)駅の隣の徳庵駅まで(198.4km)となるでしょう。


逆に、関西の駅から岡山方面へ向かう場合、ICカードが使える範囲は 以下のようになるでしょう。

【京都駅→岡山方面】
山陽線 万富駅まで(199.4km)
赤穂線 西大寺駅の1つ手前の大富駅まで(199.4km)

【大阪駅→岡山方面】
山陽線 新倉敷駅まで(198.5km)
伯備線 総社駅の隣の豪渓駅まで(198.3km)
瀬戸大橋線 児島駅の1つ手前の上の町駅まで(197.9km)

【三ノ宮駅→岡山方面】
山陽線 福山駅の1つ手前の東福山駅まで(196.8km)
伯備線 備中高梁駅まで(186.4km)
※次の特急停車駅である新見駅まで行くと、216.8kmになるため。
予讃線(高松方面) 坂出駅の2つ先の鴨川駅まで(197.9km)

【姫路駅→岡山方面】
山陽線 三原駅の2つ先の河内(こうち)駅まで(197.1km)
呉線 竹原駅の1つ手前の大乗駅まで(197.1km)
伯備線 生山駅まで(190.5km)

※詳しくは、別記事 「どこまでが営業キロ200km以内? 中国・四国地方⇔関西のICカード利用可能範囲 【まとめ】 」 をご覧ください。


ただし、この営業キロ200km制限には例外があり、以下のケースでは営業キロ200kmを超えていてもICカードが利用可能となります



【乗車駅と下車駅が どちらも大阪近郊区間内である場合】
大阪近郊区間(2017年)

大阪近郊区間は 以下の線区です。

北陸本線 近江塩津~長浜駅間
琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線 長浜~京都~大阪~姫路駅間
山陽本線 姫路~相生駅間
赤穂線 相生~播州赤穂駅間
湖西線
草津線 ※2017年10月現在は草津~貴生川駅間のみICカードが利用可能。
JR奈良線
嵯峨野線 京都~園部駅間
おおさか東線
JR宝塚線・福知山線 尼崎~篠山口~谷川駅間
※2017年10月現在は尼崎~篠山口駅間のみICカードが利用可能。
JR東西線・学研都市線
加古川線 ※2017年10月現在は加古川~西脇市駅間のみICカードが利用可能。
大阪環状線
JRゆめ咲線
大和路線関西線 JR難波~加茂~柘植駅間
※2017年10月現在はJR難波~加茂駅間のみICカードが利用可能。
阪和線
関西空港線
万葉まほろば線(桜井線)
和歌山線 ※2017年10月現在は王寺~高田駅間のみICカードが利用可能。
羽衣線
和田岬線


乗車駅と下車駅がどちらも大阪近郊区間内である場合、営業キロが200kmを超えていても、ICカードを利用することができます。
例えば、相生⇔米原(219.1km)、播州赤穂⇔近江今津(220.6km)といった利用が可能です。


【大阪近郊区間⇔北陸本線 敦賀~金沢間の特急停車駅を移動する場合】
大阪近郊区間+北陸本線 特急停車駅の図

※2018年6月2日追記※
この図に 大聖寺駅(米原行きの 「しらさぎ」 が1日に2本停車)を追加しました。


大阪近郊区間の駅⇔北陸本線 敦賀~金沢駅間の特急停車駅を移動する場合、営業キロが200kmを超えていても、ICカードが利用可能となります。
例えば、大阪⇔金沢(267.6km)、三ノ宮⇔福井(221.5km)、播州赤穂⇔敦賀(256km)、和歌山⇔敦賀(鶴橋駅・湖西線経由で208.9km)などいった利用が、2018年夏からできるようになります。


大阪近郊区間の駅⇔北陸本線 近江塩津~金沢駅間の特急通過駅を移動する場合は、営業キロ200km以内の制限がかかります。
例えば、大阪⇔西金沢(263.9km)、大阪⇔野々市(261.5km)、姫路⇔新疋田(218.1km
)は、200km以上なので ICカードが使えません。

大阪近郊区間から北陸本線  近江塩津~金沢駅間の特急通過駅へ向かう場合、ICカードが使えるのは、京都駅からだと 小松駅の隣の明峰駅まで(199.2km)、大阪駅からだと 芦原温泉駅の2つ手前の春江駅まで(199.1km)、三ノ宮駅からだと 武生駅の1つ手前の王子保(おうしお)駅まで(198.3km)となるでしょう。



【大阪近郊区間⇔きのくに線 海南~新宮間の特急停車駅を移動する場合】
大阪近郊区間+きのくに線 特急停車駅の図

大阪近郊区間の駅⇔きのくに線 海南~新宮駅間の特急停車駅を移動する場合、営業キロが200kmを超えていても、ICカードを利用することができます。
例えば、新大阪⇔新宮(276.8km)、京都⇔白浜(220.6km)、米原⇔御坊(237.4km)などいった利用が可能です。

※きのくに線 海南~新宮間の特急通過駅は ICカードが使えません。

北陸本線 敦賀~金沢駅間の特急停車駅⇔きのくに線 海南~新宮駅間の特急停車駅を移動する場合(例:敦賀⇔海南、福井⇔白浜など)は、ICカードを利用することができません。
大阪近郊区間の駅で一旦改札を出るか、乗車駅で切符を購入する必要があります。



【乗車駅と下車駅が どちらも特急 「やくも」 停車駅である場合】

特急 「やくも」 停車駅

岡山⇔出雲市(220.7km)、倉敷⇔出雲市(204.8km)というように、乗車駅と下車駅がどちらも 特急 「やくも」 の停車駅である場合は、営業キロが200kmを超えていても、ICカードを利用することができます。



2017年現在、ICOCAの岡山・広島・山陰・香川エリアは、「岡山・福山地区」 「広島地区」 「松江・米子・伯備地区」 「香川地区」 の4つにブロック分けされており、広島地区、松江・米子・伯備地区、香川地区の駅からICカードで乗車する場合、岡山・福山地区を越えての利用ができないという制限がありますが、ICOCAエリアの一体化に伴い、このブロック分けが廃止されます。

例えば、香川地区の駅から在来線で広島方面へ向かう場合、2017年現在は 岡山・福山地区を越えての利用ができないため、ICカードが使えるのは三原駅までとなっていますが、2018年夏からは 以下のようになるでしょう。


【高松駅→広島方面】
山陽線 西条駅の1つ手前の西高屋駅まで(196.7km)
呉線 安浦駅の1つ手前の風早駅まで(199.6km)

【坂出駅→広島方面】
山陽線 瀬野駅の隣の中野東駅まで(199.5km)
呉線 広駅の1つ手前の仁方駅まで(198km)


今回の 「営業キロ200km制限」 開始で注意しなければならないのは、2017年現在はICカードが使える区間が 2018年春以降 使えなくなる場合があるということです。
以下にその例を挙げていきます。


【岡山・福山地区⇔広島地区】

岡山駅から在来線で広島方面へ向かう場合、2017年現在は 南岩国駅まで(207.3km)ICカードが使えますが、
2018年の春からは 岩国駅(202.7km)の1駅手前の和木駅まで(198.9km)となり、岡山駅⇔岩国駅・南岩国駅の移動にICカードを使うことができなくなると思われます。

岡山・福山地区の駅から広島・岩国方面へ向かう場合、ICカードが使えるのは、
和気駅からだと 五日市駅の1つ手前の新井口(しんいのくち)駅まで(199.6km)、
西大寺駅からだと 宮島口駅の隣の前空駅まで(198.4km)、
児島駅からだと 新井口駅まで(198.8km)、
備中高梁駅からだと 宮島口駅の1つ手前の阿品駅(199.5km)までになるでしょう。


【岡山・福山地区⇔松江・米子・伯備地区(「やくも」 停車駅以外)】

2017年現在は 岡山・福山地区⇔松江・米子・伯備地区を 乗車距離に関係なくICカードを使うことができますが、2018年春からは 特急 「やくも」 停車駅を除いて、「営業キロ200km以内」 の制限がかかります

そのため、三原⇔米子(217.2km)、福山⇔松江(214.5km)、児島⇔松江(209.6km)、東岡山⇔出雲市(221.8km)などといった利用ができなくなります

※岡山~総社間は 桃太郎線(吉備線)経由の方が 山陽線 倉敷駅経由よりも6.2km短いので、ここでは桃太郎線経由の距離を書きます。



松江・米子・伯備地区の駅から岡山・福山方面へ向かう場合、ICカードが使えるのは 以下のようになるでしょう。

【出雲市駅→岡山方面】
伯備線 倉敷駅の1つ手前の清音駅まで(197.5km)
桃太郎線 服部駅まで(198.3km)

【松江駅→岡山方面】
山陽線(福山方面) 笠岡駅まで(199.9km)
山陽線(岡山・姫路方面) 瀬戸駅まで(197.2km)
赤穂線 西大寺駅の隣の大富駅まで(198.5km)
瀬戸大橋線 茶屋町駅の隣の植松駅まで(199.6km)

【米子駅→岡山方面】
山陽線(福山方面) 東尾道駅まで(199.2km)




【大阪近郊区間・きのくに線の特急停車駅⇔大阪近郊区間外の駅】

2017年10月現在、ICOCAの「近畿圏エリア」 のうち、きのくに線(和歌山~新宮駅間)以外で大阪近郊区間に含まれていないのは 以下の3線区です。

播但線 姫路~寺前駅間
姫新線 姫路~播磨新宮駅間
紀勢本線 和歌山~和歌山市駅間(紀和駅・和歌山市駅)

また、2018年夏からICカードが利用可能になる山陽本線 相生~上郡駅間(有年駅・上郡駅)も、大阪近郊区間に含まれていません。

これらの線区では、「営業キロ200km以内」の制限がかかるため、2018年春以降、寺前⇔米原(222.8km)や播磨新宮⇔米原(220.5km)、和歌山市⇔新宮(204km)などといった利用ができなくなります。


以下、ICカードが使える範囲をまとめておきます。
※乗車距離をもとにした予想です。ICカードの使える範囲は実際と異なる可能性もあります。


【寺前駅→大阪方面】※距離はいずれも姫路・大阪経由
琵琶湖線 近江八幡駅まで(199.6km)
湖西線 近江舞子駅まで(198km)
草津線 貴生川駅の1つ手前の三雲駅まで(198.7km)
きのくに線 海南駅まで(鶴橋駅経由で199.9km)

【福崎駅→大阪方面】
琵琶湖線 能登川駅の隣の稲枝駅まで(199.4km)
湖西線 安曇川駅まで(198.3km)
草津線 甲賀駅まで(199.3km)※貴生川~柘植駅間は2018年春からICカードが利用可能になる予定。
きのくに線 海南駅まで(鶴橋駅経由で187.4km)
※次の特急停車駅である箕島駅まで行くと、202.3kmとなるため。

【播磨新宮駅→大阪方面】
琵琶湖線 近江八幡駅の隣の安土駅まで(195.6km)
湖西線 近江高島駅まで(199.2km)
草津線 貴生川駅の隣の甲南駅まで(199.2km)
きのくに線 海南駅まで(鶴橋駅経由で192.4km)

【本竜野駅→大阪方面】
琵琶湖線 稲枝駅まで(197.2km)
湖西線 近江今津駅の1つ手前の新旭駅まで(199.4km)
草津線 柘植駅の1つ手前の油日駅まで(199.2km)
きのくに線 海南駅まで(鶴橋駅経由で185.2km)
※次の特急停車駅である箕島駅まで行くと、200.1kmとなるため。

【上郡駅→大阪方面】 ※2018年夏から
琵琶湖線 野洲駅まで(195.2km)
湖西線  志賀駅まで(198.3km)
草津線 石部駅まで(196.8km)
きのくに線 紀三井寺駅まで(鶴橋駅経由で199.7km)


また、きのくに線 和歌山~海南駅間の特急通過駅(宮前駅・紀三井寺駅・黒江駅)も、大阪近郊区間に含まれていないため、「営業キロ200km以内」 の制限がかかります。
例えば、紀三井寺駅から滋賀県へ向かう場合、ICカードが使えるのは、琵琶湖線長浜駅まで(鶴橋駅経由で195.2km)となるでしょう。
ちなみに、紀三井寺⇔近江塩津は 鶴橋駅・湖西線経由で199.4kmとなり、ギリギリ ICカードが使えます。


以上、ICOCAエリアの一体化について書きました。

今回の発表は、自分にとって ICOCAエリア拡大のニュースで最大の衝撃でした。
3つのICOCAエリアを繋げて1つに統合するのは技術的に難しく、不可能ではないかと思っていたので、まさか本当に一体化するとは思いもしなかったです。

営業キロ200km以内の制限によって これまでICカードが使えた区間で使えなくなる場合があったり、2018年夏以降も福井県⇔金沢駅以西の移動にICカードが使えなかったりと、少し不満もありますが、ICOCAエリアの一体化によって 格段に便利になるのは間違いないでしょう。
来年の夏が待ち遠しいですね!

あとは、北近畿地区(福知山駅・豊岡駅など)や 和歌山線 五条~和歌山駅間、関西線 加茂~柘植駅間、宇野みなと線 茶屋町~宇野駅間、福塩線 神辺~府中駅間へのICOCA導入や、山口県内のICOCAエリア拡大を早期に進めてほしいところです。


今回の発表と同じ日、境線 米子~境港駅間へのICOCA導入も発表されたので、後日 記事にしたいと思います。


★次の記事★
【JR西日本】 境線にICOCAを導入へ! JR初となる 「車載型IC改札機」 を設置!

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