BlogPaint
※上の写真は、広島駅2番のりばに停車中の快速 「シティライナー」 岩国行き。
新型車両の227系です。(2016年4月撮影)


山陽線 広島地区の快速 「シティライナー」。
かつては 主に岡山~徳山駅間(快速運転は西条~岩国駅間のみ)で運転されており、2010年春のダイヤ改正で廃止されたのですが、2016年春のダイヤ改正 で まさかまさかの復活を果たしました。

復活したシティライナーは 土休日の日中~夕方のみ運転され、運転区間が 西条~広島~岩国駅間に短縮 (西条~広島駅間は 西条発 岩国行きの2本のみ)
停車駅が これまでとは大きく異なるものになったんですよね。

※従来は、広島~五日市駅間の各駅に停車し、五日市~岩国駅間で快速運転をしていましたが、復活後は、広島~五日市駅間がノンストップで、大野浦~岩国駅間の各駅に停車します。
西条~広島駅間では 瀬野駅が通過となり、海田市駅が停車駅に加わりました。



しかし、広島近郊エリアでは、2018年7月の西日本豪雨の影響で、土休日も含めて平日ダイヤで運転されており(一部 列車本数を減らし、運転時刻を変更)、山陽線では 全線復旧後も シティライナーが運転されない日が続いているのです。

一体いつになったら通常ダイヤに戻るのだろうか・・・と思っていたところ、2018年12月14日、JR西日本が 2019年3月16日(土)に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。


【広島近郊エリアのダイヤ改正の記事】
☆JR西日本 2019年春のダイヤ改正(広島編)☆
山陽線・呉線・可部線の全列車が227系に!広島⇔福山・岡山方面の直通運転を取り止め




その中で、「山陽線・呉線・可部線において、平日と土休日で同一のダイヤを実施する。」 という気になる一文が!

前述の通り、シティライナーは 土休日にしか運転されないため、改正後のダイヤが 改正前の平日ダイヤとほぼ同じになれば、シティライナーが消えることになるわけですが、もしそうなら、ニュースリリースに、"土休日の 快速 「シティライナー」 は運転を取り止めます" と記載されるだろう と思っていたんですよね。

しかし、2018年12月15日、中国新聞が、広島近郊エリアのダイヤについて 重要な情報を さらっと報道したので、このブログで取り上げたいと思います。


【中国新聞の記事】
来年3月に正常ダイヤ 山陽線・呉線、落石検知装置を設置 


広告


以下、中国新聞の記事から引用します。(「来年」 を 「2019年」 に置き換えました)


JR西日本広島支社は14日、西日本豪雨の影響で徐行運転が続く山陽線と呉線の一部区間に落石検知装置を設置し、2019年3月16日から災害前のダイヤに戻すと発表した。

落石検知装置を設けるのは山陽線瀬野―八本松、河内―本郷、光―下松の3区間と、呉線水尻―小屋浦、天応―かるが浜の2区間の計5区間。
瀬野―八本松間に2カ所、他の区間は1カ所ずつ設置する。

装置は信号機と連動し、線路沿いののり面などから落石があった場合に信号が赤に変わるなどして運転士に落石を伝える。

各区間では7月の豪雨で線路への土砂流入などが相次ぎ、同支社は復旧工事をして10月中旬までに順次、運転を再開。
しかし、のり面などで落石の恐れがあるため、徐行運転とし、本数を減らすなど臨時ダイヤで運行していた。

2019年3月16日以降は平日、土日とも災害前の平日の本数になる。



2019年3月16日以降は平日、土日とも災害前の平日の本数になる。


つまり、ダイヤ改正後は 土休日も 平日ダイヤで運転する ということです。
これでもう、シティライナーの廃止は確実と言っていいでしょう。

昨年7月の西日本豪雨以降 一度も運転されることなく、廃止されることになります
復活からわずか3年(実質的には2年半足らず)で再度消滅するとは思いもしませんでした。


広島~五日市駅間がノンストップだったので、広島駅から宮島口・岩国方面に向かう観光客や 青春18きっぷの利用者には好評だったのかも分かりませんが、地元の利用客には不評だったのかなと思います。


シティライナーが通過する駅のうち、新白島・横川・西広島・新井口の4駅は、広電やアストラムラインとの乗り換え駅であり、これらの駅で私鉄に乗り換えて広島市の中心部へ向かう利用客が多いです。
横川駅は可部線との乗り換え駅でもあり、山陽線 岩国方面⇔可部線を移動する利用客もいます。

しかし、シティライナーが 大野浦~岩国駅間で 普通電車の補完的な役割をしていたため、土休日の日中は 広島~岩国駅間を通して運転される普通電車が毎時2本程度しかなく、毎時1本しか運転されない時間帯もあったんですよね。

そのため、大野浦駅以西からシティライナーの通過駅へ行く利用客にとっては、シティライナーに乗って 途中の駅で普通電車に乗り換えなければならないことが多くなり、不便でした。


また、三原・西条方面から岩国方面へ向かう普通電車とシティライナーとの接続が非常に悪く、広島駅で 普通電車が到着する1分前にシティライナーが発車する という有様でした。
シティライナーの1本前に発車する普通 大野浦行きは、終点の大野浦駅まで シティライナーに追い抜かれません。

そのため、三原・西条方面からの利用客にとっては、シティライナーの 「速達性」 という恩恵を受けらないばかりか、岩国駅まで行く普通電車が減り、大野浦駅で乗り換えとなることが増えて 不便になったのです。


このように、シティライナーの復活で かえって不便になったことが多く、日中の時間帯は、シティライナーが運転される土休日より 普通電車しか運転されない平日の方が便利だと思っていた人も 少なくなかったのではないかと思います。


CIMG7750-1
CIMG7751-1
※広島駅の在来線 跨線橋に設置されている発車標。
快速 「シティライナー」 の表示は もう見ることができません。(2016年4月撮影)



自分は以前、広島を訪れた時に シティライナーに乗りましたが、広島~岩国駅間は終始空いていたように思います。
乗車率が低かったとしたら、廃止されるのは やむを得ないでしょうね。

ダイヤ改正で運転取り止めとなるのではなく、豪雨災害がきっかけで自然消滅する形になってしまったのが悲しいところです。


ちなみに、山陽線の快速 「通勤ライナー」 は、これまで 平日の朝ラッシュ時のみ運転されていましたが、土休日も平日ダイヤで運転されるということは、土休日も 通勤ライナーが運転される ということでもあります。


※2020年4月26日追記※
2020年3月14日のダイヤ改正で、快速 「シティライナー」 が2度目の復活を果たしました。
横川駅が新たに停車駅に加わった一方、これまで停車駅だった宮内串戸駅を通過するようになっています。




広告