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※長浜駅に到着した新快速。折り返し 播州赤穂行きとなります。(2019年4月撮影)


JR西日本は、2021年3月13日にダイヤ改正を実施しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で 利用客が大幅に減少していることを受け、多くの路線で減便や最終列車の繰り上げを行っています。


次のダイヤ改正は2022年3月のはずでしたが、2021年5月19日、JR西日本が 「2021年10月にダイヤ改正を実施する」 と発表しました。

このブログでさっそく取り上げたいと思います。

※2021年5月23日追記※
文章を追加しました。


【JR西日本 ニュースリリース】
2021年 5月社長会見


★2021年3月のダイヤ改正★


★在来線特急の減便(2021年2月1日から)★



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2021年10月ダイヤ改正 減便
※JR西日本 ニュースリリースより引用。


JR西日本曰く、「利用の減少率が大きい日中を中心に、列車本数と利用状況の乖離が大きい区間の約130本の列車を見直す」 とのこと。

減便の対象となるのは 以下の線区です。



近畿エリア (日中に約60本削減)

琵琶湖線・・・長浜~米原駅間

JR京都線・・・京都~高槻駅間

JR神戸線・・・須磨~西明石駅間

山陽本線・・・姫路~上郡駅間

赤穂線・・・相生~播州赤穂駅間

大和路線・・・奈良~加茂駅間

など。



西日本各エリア (朝晩も含め約70本削減)

北陸エリア・・・小浜線越美北線(九頭竜線)

北近畿エリア・・・山陰本線

南紀エリア・・・きのくに線和歌山線

瀬戸内エリア・・・山陽本線瀬戸大橋線

山陰エリア・・・山陰本線伯備線因美線境線

など。


詳細は7月に公表する予定 としています。


なお、福井新聞の記事によると、小浜線は本数半減が検討されているほか、越美北線は 8割近くの列車が減便対象になっているそうです。







2021年10月ダイヤ改正 減便3
※JR西日本 ニュースリリースより引用。


JR西日本は、2021年3月末までの1年間の決算で 最終的な損益が過去最大の2332億円の赤字(前年は893億円の黒字)となっています。
NHKニュースの記事 参照。

今回、構造改革を早期に進めるため、来年春に行う予定だったダイヤ見直しを 前倒しで一部実施することになりました。

来年春のダイヤ改正では、「全てのエリア、各時間帯において、利用にあわせたダイヤとすべく、朝通勤時間帯も含めた見直しを実施する予定」 としており、大規模な減便が予想されます。



今回のダイヤ改正がどのようなものになるのか、簡単に予想してみました。



近畿エリア (いずれも日中の時間帯)

琵琶湖線 長浜~米原駅間

予想・・・毎時2本→1本に減便。

長浜駅始発・終着の列車を運転取り止めに。

大阪方面からの新快速は、長浜行きを米原行きに変更。

個人的には、521系2両編成のワンマン列車でいいので、本数を維持してほしいところですが・・・。



JR京都線 京都~高槻駅間

予想・・・普通電車が毎時8本となる時間帯に減便

日中の普通電車の本数を毎時4本(高槻~西明石駅間は快速)で統一。



JR神戸線 須磨~西明石駅間

予想・・・快速を須磨~西明石駅間の各駅に停車させ、普通電車を運転取り止め

同区間の快速通過駅は 塩屋と朝霧の2駅だけ。

塩屋・朝霧停車の快速は 「区間快速」 を名乗る?



山陽本線 姫路~相生駅間

予想・・・姫路~網干駅間の本数を毎時4本→2本に減便。

残りの2本のうち1本は相生止まりに。



山陽本線 相生~上郡駅間

予想・・・毎時2本→1本に減便。

日中の相生~上郡 シャトル列車を運転取り止め。



赤穂線 相生~播州赤穂駅間

予想・・・毎時2本→1本に減便。

岡山方面の列車に接続しない普通列車を運転取り止め。

2016年3月のダイヤ改正までは、毎時2本のうち1本が新快速(大阪方面直通)でした。



大和路線 奈良~加茂駅間

予想・・・毎時2本→1本

関西線 亀山方面の列車と接続しない大和路快速を、奈良~加茂駅間で運転取り止め。

木津~加茂駅間で8両編成の列車を毎時2本運転するのは 明らかに供給過剰。
(毎時2本運転するなら、日中は2両編成で十分かと)

奈良~木津駅間は JR奈良線の みやこ路快速と普通電車が毎時2本ずつ走っており、大和路快速も加えて毎時6本は供給過剰な感あり。



西日本各エリア

きのくに線

予想・・・和歌山~紀伊田辺駅間で朝晩に減便。


和歌山線

予想・・・日中に粉河~和歌山駅間で毎時2本→1本に。


山陽本線

予想・・・日中に岡山~糸崎駅間で毎時3本→2本に。


瀬戸大橋線

予想・・・2020年3月のダイヤ改正で新設された 岡山~茶屋町駅間のみを走る快速と、岡山~備前西市駅間のみを走る普通列車を運転取り止め。






2021年3月のダイヤ改正では、300本の列車が見直されています。

中でも広島・山口地区は、山陽線 岩国~小月駅間の日中60~80分間隔化や、一部線区における最終列車の2時間繰り上げなど、やり過ぎではないかと思えるほど大減便が実施されました。

しかしこれは 「序章」 に過ぎなかった ということなんでしょうね。



JR西日本では、2019年9月に 広島地区で 山陽線や可部線の混雑緩和を目的としたダイヤ改正が実施されています。

秋に全エリアでダイヤ改正を実施するのは、2006年10月21日のダイヤ改正(新快速の敦賀駅乗り入れ開始)以来、15年ぶりのことです。






コロナによる傷が深くならないよう、徹底的にコストを削減して黒字化を目指したい というJR西日本の方針は理解できます。

しかし、過度に減便をすることで さらなる鉄道離れを招き、結果的に自らの首を絞めることになりかねません。

そのため、本数が少ない路線で減便する場合は、きのくに線 湯浅~御坊駅間のように 運転取り止めではなく 「休便」 という形にして、利用が回復したら元に戻すという含みを持たせた方が良いのではないかと思いました。






今回のダイヤ改正による減便を受けて、JR西日本に抗議したり 本数維持の要望をする自治体が出てくると思います。

しかし、コロナによる利用減でJR西日本の経営が悪化している今、「言うだけ」 で減便を止めることはできないでしょう。

本気で減便を阻止したいのであれば、減便対象となる列車の運行経費を自治体が負担するという提案をするべきです。


それと、国民に 「不要不急の外出」 や 「県を跨いだ移動」 の自粛を呼びかけてきた国から、鉄道会社に ある程度補償といいますか、金銭的な支援があっても良いのではないかと思います。

鉄道会社だってコロナの被害者ですし、「人流を抑制するが鉄道会社は自力で頑張れ」 というのは 酷な話ではないでしょうか。


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