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※青森駅の駅名標と旧駅舎の改札口。 自動改札機が設置されていますが、ICカードは使えません
(2019年8月撮影)


※JR東日本 Suicaエリアでは、Suicaのほか、PASMO・ICOCA・PiTaPa・Kitaca・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけん といった 全国相互利用カードが利用可能です。
(以下、「ICカード」 は これら10種類のカードのことを指します)


2021年現在、東北地方のJR線は、宮城県と福島県を除いて、ICカードの使える駅が極端に少ないです。

岩手県は一ノ関駅と平泉駅の2駅だけで、山形県は山形駅と山寺駅の2駅だけ。

青森県と秋田県に至っては、在来線でICカードの使える駅が1つもない という状態が続いています。


一体いつになったら 青森県や秋田県の在来線でICカードが使えるようになるのだろうかと思っていたところ、2021年4月6日に JR東日本から衝撃的な発表が!

なんと、青森県・秋田県・岩手県でSuicaエリアを拡大する というのです!


【JR東日本 ニュースリリース(PDF)】
北東北3県におけるSuicaご利用エリアの拡大について

※記事中に貼っている図は、一部を除いて JR東日本 ニュースリリースからの引用です。


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今回、「青森エリア」 「秋田エリア」 「盛岡エリア」 の3つが新たに設定されます。

青森駅や秋田駅、盛岡駅など 計44駅でICカードが使えるようになる予定です。

これらの駅では、Suica定期券も使えるようになります。


青森・岩手・秋田にSuicaエリア拡大1

3つのエリアは、いずれも エリア内で完結する場合のみ ICカードが利用可能となります。

青森エリアの駅から乗車して秋田エリアの駅で下車する、盛岡エリアの駅から乗車して仙台エリアの駅で下車する・・・などといった、エリアを跨がっての利用はできません


青森・岩手・秋田にSuicaエリア拡大2

サービス開始時期は、2023年春以降となる予定です。

サービス開始日や Suicaを購入できる駅などの詳細は、決まり次第お知らせするとのこと。



今回のSuicaエリア拡大では、新たな改札システムが使用される予定です。

新たな改札システムでは、これまで自動改札機にあったSuicaの主要な機能がセンターサーバに集約されます。

JR東日本は、「将来的には さらなるSuicaエリア拡大のほか、モバイルSuicaなどスマートフォンによる多様なサービス提供などが実現できるようにクラウド化を進める」 としています。


青森・岩手・秋田にSuicaエリア拡大3



正直、このタイミングで 青森・秋田・岩手でのSuicaエリア拡大が発表されるとは思っていなかったので、非常に驚きました。

JR東日本は これまで、費用対効果が見込めないことを理由に、北東北のSuicaエリア拡大に超消極的だったんですよね。

しかも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、JR東日本の2020年度の鉄道営業収入(推計値)は、2018年度と比較して49.4%減と報道されています。

そのため、北東北3県でSuicaエリアを拡大する余裕はなく、やるとしても 5年以上後になると思っていました。


【読売新聞オンラインの記事】
JR東日本の鉄道営業収入、コロナ前から半減…過去最大の落ち込み


ICOCAエリア(2021年3月13日~)
※2021年3月13日現在のICOCAエリア(JRおでかけネット より引用)


JR西日本は、2018年9月に 北陸、近畿、中国・四国地方のICOCAエリアを一体化させました。

ICカードが使えるのは営業キロ200km以内」(例外もあり)という距離制限を設けることで、ICOCAエリアを一つにまとめることができたんですよね。





常磐線Suicaエリア拡大(JR東日本 ニュースリリースより引用)
JR東日本 ニュースリリース(PDF) より引用。


しかし、JR東日本は こうしたやり方を取り入れようとしません。

2020年3月の常磐線全線復旧の際も、首都圏エリアを浪江駅まで、仙台エリアを小高駅まで拡大させ、中途半端なところにエリアの境界線を引きました。

JR東日本(Suicaエリア)⇔JR東海(TOICAエリア) といったように、他社の駅との相互間でエリア跨ぎができないのは仕方ないと思いますが、自社の駅相互間でのエリア跨ぎは できるだけ解消してほしいですね。

今回も、青森と秋田は 「青森・秋田エリア」 としてまとめ、岩手県は 仙台エリアを拡大する形にした方が良かったです。


もし今後、東北本線の一ノ関~北上駅間でSuicaエリアを拡大するなら、仙台エリアは平泉駅まで、盛岡エリアは水沢駅まで といったようなことはせずに、全て盛岡エリアにすると良いと思います。

その上で、仙台エリアである一ノ関駅と平泉駅に 盛岡エリア用の改札機を設置すれば、エリア跨ぎの不便さが少しはマシになるはずです。






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※七尾線の車載型IC改札機。(2021年3月撮影)


また、JR西日本は 境線や 和歌山線、七尾線などで、駅ではなく列車内にIC改札機を設置する 「車載型IC改札機」 を導入しています。

JR東日本も、今後 同様のものを導入するのか 気になるところです。



今回、青森・秋田・岩手の3県で Suicaエリアが拡大することになりましたが、山形県でのSuicaエリア拡大は見送られました。

3県でのSuicaエリア拡大後、東北で最もICカードの使える駅が少ないのは山形県(山形・山寺の2駅)ということになります。

せめて 奥羽本線(山形線)の米沢~山形~新庄駅間だけでも使えるようになれば良いと思うのですが、果たしていつになるでしょうか。

 

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