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※新見駅に停車中の芸備線 備後落合行き。(2018年3月撮影)


2021年12月29日、JR西日本の長谷川一明社長が、経営悪化で維持が難しくなっているローカル線について、輸送密度が2,000人/日以下の区間で優先的にサービスを見直す考えを明らかにしました。

対象となる区間では、バスなど鉄道以外の輸送手段に転換することも含めた見直しを進める方針です。

今回は、そのことについて取り上げたいと思います。

※現在作成途中の記事です。後で文章を追加します。


【朝日新聞の記事】
JR西社長「輸送密度2千人以下は非効率」 路線見直しに目安

輸送密度は 1日1kmあたりの利用客数を表しており、以下の計算によって算出されます。

【輸送密度(平均通過人員)】 ※単位は 「人 / 日
=【各路線の年度内の旅客輸送人キロ】÷【当該路線の年度内営業キロ】÷【年度内営業日数】

※「人キロ」は、利用客数と その利用客を輸送した距離(km単位)を掛け合わせたもの。
1人を1km輸送した輸送量が1人キロとなり、例えば30人を10km輸送した場合は30人×10km=300人キロとなります。


【2020年度の輸送密度】
P.56-59 区間平均通過人員および旅客運輸収入(PDF形式)

【2019年度の輸送密度】
P.56-59 区間平均通過人員および旅客運輸収入(PDF形式)


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以下、朝日新聞の記事から引用します。

JR西日本の長谷川一明社長が朝日新聞のインタビューに応じ、経営悪化で維持が難しくなっているローカル線について、輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が「2千人以下」の区間で優先的にサービスを見直す考えを明らかにした。

同社が具体的な見直しの目安を示すのは初めて。

2千人以下の区間は、同社の在来線全体の3割超にのぼる。


コロナ禍で鉄道利用者は急減しており、同社の2021年3月期の決算は、最終的なもうけを示す純損益が2332億円の赤字(前年は893億円の黒字)だった。

22年3月期も1千億円規模の赤字を見込む。

1987年の民営化以来、初めて2年続けて巨額赤字を計上することになる。


これまでは新幹線や近畿圏都市部の在来線などの利益をまわす形で、採算が厳しいローカル線を維持してきた。

だが都市部でも利益が減り、今後も以前の水準まで利用が回復することは見込みにくいため、余裕がなくなっている。

長谷川社長はインタビューで「(輸送密度が)2千人以下のところは大量輸送機関である鉄道の特性を生かせず、非効率だ。非効率な仕組みを民間企業として続けていくことが、現実的に難しくなっている」と述べた。

線路の点検費や車両の維持費など、利用者が少なくても必要な負担は大きく、2千人では採算が合わないという。

このため、対象となる区間では、バスなど鉄道以外の輸送手段に転換することも含めた見直しを進める方針だ。



ここで、2020年度の輸送密度が2,000人/日を下回った線区を見ておきましょう。


※路線名の色は、が関西、が北陸、が中国地方の線区。

※★は特急列車が走っている線区。

※◆は観光列車(瑞風も含む)が走っている線区。

※( )内の数字は2019年度の輸送密度。


★因美線 智頭~鳥取(31.9km)・・・1,993 (3,521)

◆山陰線 小串~幡生(23.6km)・・・1,974 (2,545)

和歌山線 高田~五条(23.9km)・・・1,928 (2,489)

宇部線 新山口~宇部(33.2km)・・・ 1,904 (2,450)

赤穂線 播州赤穂~長船(31.8km)・・・1,677 (2,178)

◆呉線 三原~広(60.2km)・・・1,638 (2,095)

★伯備線 新見~伯耆大山(74.0km)・・・1,463 (3,537)

★高山線 猪谷~富山(36.6km)・・・1,396 (2,288)

岩徳線 岩国~櫛ケ浜(43.7km)・・・1,090 (1,246)

芸備線 三次~下深川(54.6km)・・・929
※2019年度の輸送密度は三次~狩留家(48.2km)で集計。713人/日。

★山陰線 浜坂~鳥取(32.4km)・・・798 (921)

小浜線 敦賀~東舞鶴(84.3km)・・・782 (991)

姫新線 播磨新宮~上月(28.8km)・・・750 (932)

★山陰線 出雲市~益田(129.9km)・・・725 (1,177)

関西線 亀山~加茂(61.0km)・・・722 (1,090)

★播但線 寺前~和田山(36.1km)・・・714 (1,222)

姫新線 津山~中国勝山(37.5km)・・・663 (820)

★きのくに線 新宮~白浜(95.2km)・・・608 (1,085)

★山陰線 城崎温泉~浜坂(39.9km)・・・506 (693)

美祢線 厚狭~長門市(46.0km)・・・366 (478)

★◆山口線 宮野~津和野(47.4km)・・・353 (678)

芸備線 備後庄原~三次(21.8km)・・・348
※2019年度は備後落合~三次(45.7km)で集計。215人/日。

姫新線 上月~津山(35.4km)・・・346 (413)

小野田線 小野田~居能、雀田~長門本山(13.9km)・・・344 (444)

★山口線 津和野~益田(31.0km)・・・310 (535)

◆山陰線 長門市~小串、長門市~仙崎(52.8km)・・・290 (351)

越美北線 越前花堂~九頭竜湖(52.5km)・・・260 (399)

◆山陰線 益田~長門市(85.1km)・・・238 (271)

加古川線 西脇市~谷川(17.3km)・・・215
※2019年度は厄神~谷川(41.1km)の輸送密度を集計。1,938人/日。

◆木次線 宍道~出雲横田(52.3km)・・・198
※2019年度は路線全体(宍道~備後落合 81.9km)の輸送密度のみ集計。190人/日。
※トロッコ列車「奥出雲おろち号」 は、2023年度をもって運行を終了する予定。

福塩線 府中~塩町(54.4km)・・・150 (162)

姫新線 中国勝山~新見(34.3km)・・・132 (306)

因美線 東津山~智頭(38.9km)・・・132 (179)

芸備線 備中神代~東城(18.8km)・・・80 (81)

芸備線 備後落合~備後庄原(23.9km)・・・63

大糸線 南小谷~糸魚川(35.3km)・・・50 (102)

◆木次線 出雲横田~備後落合(29.6km)・・・18

芸備線 東城~備後落合(25.8km)・・・9 (11)



ついでに、輸送密度がギリギリ2000人/日を上回った線区も紹介しておきましょう。


★山陰線 福知山~城崎温泉(69.5km)・・・2,006(3,268)

草津線 貴生川~柘植(15.3km)・・・2,011(2,792)

境線 米子~境港(17.9km)・・・2,043 (2,729)

◆氷見線 高岡~氷見(16.5km)・・・2,093 (2,498)

★伯備線 備中高梁~新見(30.4km)・・・2,098 (4,546)


1980年代、輸送密度が4,000人/日未満の国鉄・JRの鉄道路線(いわゆる 「特定地方交通線」)は、「鉄道がもつ大量輸送機関としての特性が発揮できず バスへの転換が妥当」 と判断され、代替輸送道路が未整備などといった一部の例外を除き、廃止(代替バスや第三セクター鉄道などに転換)されました。

今回はその半分である2,000人/日以下の線区が見直しの対象となるわけですが、該当するのは 23路線 38線区に上ります。


このうち、コロナ前の2019年度も2,000人/日を下回っていたのは 17路線 30線区。

特に、 レッドゾーンである500人/日以下は12路線 19線区もあり、芸備線 東城~備後落合駅間に至っては わずか11人/日という有様です。

ちなみに、2018年に廃止された 三江線(三次~江津 108.1km)は、2015年度の輸送密度が58人/日となっていました。



見直しの対象となる線区では、沿線の自治体に 何らかの金銭負担が求められることになるでしょう。

選択肢は、主に以下の3つではないかと思います。


①鉄道路線を廃止しバスに転換。
※気仙沼線や大船渡線などで行われているような、BRT(バス高速輸送システム)も含む。

②鉄道路線をJRから第三セクター会社に経営移管。

③JRが列車の運行を、沿線の自治体などが鉄道インフラの維持管理を担う 「上下分離方式」 の採用。


※現在作成途中の記事です。後で文章を追加します。





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